壊れた機械人形 (ページ2)

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1話ページ2

side:fukazawa

渡辺「…あっつ」

深澤「いや今年の夏異常だよな…」

今日は少し早めに学校が終わったから熱いし翔太と海に行って遊んでから帰ることになって海沿いを歩く。

真夏の8月はさすがに暑くて汗が落ちる。

海特有の潮の匂いが香って夏だな、と感じた。

砂浜が見えて海に近づくと何かが見えた。

深澤「ん？なんだあれ」

俺はそのナニかが気になって近づくとそこには上半身と下半身がちぎれている人？を見つけた。

ちぎれている所から中にある様々なモノも見える。

顔も凹んでいたり髪はボサボサで左腕も壊れている。

渡辺「あぁ、"機械人形"じゃん。でもひでぇな、下半身ねぇじゃん」

深澤「まぁ気持ちは分からなくもないけどここまでするかね」

『…』

そいつの正体は機械人形だったらしい。

近頃機械人形が暴走して危険だと言われていて回収されているはずの機械人形がなんでここに…？

『しステムえラー…1部損傷有リ。修復ヲ求めまs…M-07(ｴﾑｾﾞﾛﾅﾅ)起動しマす。』

そう言うとそいつは瞼を上げて目をｶｼｬｶｼｬと動かした。

壊れているところからは何かの液体がコポコポと流れてくる。

渡辺「うわっ！動いた！ふっか！こいつ動いた！！」

深澤「翔太が驚く方がめっちゃビックリするわ…！」

『…人間？』

ｶｼｬｶｼｬと動いていた目は俺らを捉えて動かなくなった。

深澤「…あんた、機械人形だよな」

『…はい。』

深澤「何でこんなとこにいんだよ…そんな格好で…」

渡辺「確かに…機械人形は回収されてるはずだろ」

『ご…主人サま…が、逃がしてくダサいました。』

渡辺「へぇ…」

深澤「いいご主人様だね」

『はい。トテも、優しくて、こんな私トいつも一緒二居てくだサったご主人様デす…』

『安心してくだサイ。放置していテモこの損傷二加えテ1部冷却装置等も壊れていルノであと1日モ持ちまセん。』

声帯機能が壊れているのか声はガタガタで正に壊れかけの機械、という感じだった。

そんな声で目を細めて懐かしむように自分の主人の話をする。

かと思いきや俺たちを安心させようとしたのか自分の体について話した。