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「千冬ー」


テーブル席に居座る千冬に声をかければ簡単に振り返った。


「なんすかー?」


「定休日、作った方がいい?」


「え 作んの?」


そして、ちょっと寂しそうな顔をされた。
いつものボリュームで話すには少し遠いので
声の届く範囲へと近づく。


「すぐすぐに定休日とは言わないけど
不定期で休みをちょっと作ろうかなぁって」


私は作りたくなかったけどね。


「んー 、俺としてはここが居心地いいし
いつも開いてるのが当たり前だったんスけど
Aさんにも休みが必要なのはわかる」


私の感覚も千冬に似てるのかもしれない。
いつでも開いてる、いつでも行ける。そんな
若い子達の居場所になれるようなお店にしたかった。
だからきっと定休日というものを作るのは
私にとってもお店の方向性にとってもきっと合ってない。
身体が資本の仕事なのも堅が私を心配してるのもわかる。
あまりにも方向性が真反対で折衷案が見つからない。


「んー難しいよねぇ」


「? なにがっすか」


私の頭の中の内容が千冬に伝わるわけもなく
一人でただ百面相をしていた。
そんな私を不思議がる千冬。


「私もねぇ あんまりお休み作りたくないんだよね」



「じゃあなんで作るんだよ…」



めっちゃ冷めた目で言われた。えっひど。うける。



「あー うーん、千冬が言った通りだよ
今後休みがないと身体的に辛くなるかなぁって」



堅が言ったから。とは何故か千冬には言えなかった。
これを言うときっと千冬は傷ついた顔をすると思う。



「ドラケン君っスか」



「ははっ 何で?」



わざとらしく千冬の髪を混ぜれば、



「Aさん あほなんで、
そういうの考えそうにないなぁって」



嬉しそにニヤニヤ笑うクソガキがいた。



「堅は関係ないよ」




少し跳ねてしまった髪を撫で付けてやれば、
「じゃあ休みいらないっスね なんかあったら俺
手伝うんで」とシシッと笑われた。




咄嗟に口から出た嘘に覚えた罪悪感は誰宛なんだろうなぁ。

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(プロフ) - aicoさん» aico様 コメントありがとうございます!とても励みになります!更新頑張ります☻ (12月29日 12時) (レス) id: 25515adda2 (このIDを非表示/違反報告)
aico(プロフ) - なんだこの作品サイコーすぎる見つけれて良かった😭更新頑張ってください! (12月28日 12時) (レス) @page28 id: a3a2c4d69d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年8月5日 12時

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