蒼き空のレクイエム (ページ3)

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2日目ページ3

キーコー……キーコー……

また、真夜中の公園に、ブランコの音が響く。

「……よお」
「1日振りです」

女は俺に微笑んだ。
俺も女に微笑み返した。

「隣、失礼しますね」
「ああ」

女はまた、俺のすぐ隣のブランコに、スカートを整えながら座った。

女は相変わらず、目を閉じて沈黙している。
俺は折角だから、昨日には聞けなかったことを、聞いてみようと思った。

「お前、ここに1人で何しに来てるんだ？」

女は目を開けて、こちらに顔を向けた。
まさか質問が来るとは予想外だったのだろう。
女はきょとんとした表情をしていた。

俺は、ちょっと可笑しくて笑ってしまった。
だって、人間、驚くと目がまんまるになるって、本当のことだとは知らなかったからな。

すると女は俺が吹き出したのが気に入らなかったのか、頬を膨らませ、ムッとした表情になった。

「いきなり笑うなんて失礼です」

ああ、やめてくれ。
怒って頬を膨らませる人間が居るなんて知らなかったと、また可笑しくて、笑ってしまう。
でもひとまず、俺がつい吹き出してしまったのを謝ろうと思った。

「ごめんな。表情が面白くて、つい」
「それ、本当に謝ってますか？」

なんだろう、とても懐かしい。
いつか表情豊かな誰かと、こうして過ごしていたかのような錯覚に陥った。
でも、でも、やっぱり。
笑顔が1番似合ってる。