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PK戦の応援が終わって、メイク直しも兼ねて控室に戻る。
“女の子”という理由で、有難いと言っていいのかは分からないけれど、今回私が競技に出ることはない。そのため私の隣には常に誰かがいるし、離れるもなにも それ以前の話だ。
DY「Aったら、ヒョンたちに夢中で柵から身体出そうとしてさ、抑えるの大変だったんだから！」
YT「マジ？A、そんなに？」
「うん、ヒョンたちが一番かっこよかった」
TY「…わぁマクどうしよう、Aが可愛すぎるよ」
MK「ヒョン、俺たちも頑張らないと」
YH「ダメだ、ユタのその表情は危険すぎる Aが食われる」
私の頬を両手で包んで聞いてきた悠太くんに答えたら、なぜかそのままピクリと動かなくなってしまった。避難しなきゃだとか言って、その一部始終を見ていたジャニヒョンの膝の上に乗せられたけれど、悠太くんの視線はそのまま私を離してくれない。
強いと言われていた相手に簡単にシュートを決めてみせた悠太くんに、緊張しながらもポストに当てて確実に決めるジョンウ。
長い手足を活かしたキーパーのジャニヒョンも、そのビジュアルも相まって漫画の世界みたいにかっこよかった。
同じ学校にこんな人達がいたら、きっと女の子の意識を全て掻っ攫っていたんだろうな、だなんて本気でそう思うくらいには。
DY「ねぇ、A」
「はい？」
DY「もしアーチェリーで活躍したら、ヒョンと一緒にデートしてくれる？」
「…」
急にドヨンイヒョンがそんなことを言うから、スマホをいじってたヒョンたちも一斉に顔を上げてこちらを向いてくる。
え？だなんて随分と大きな声が私の後ろにいるジャニヒョンから落とされて、それを筆頭にざわめき出すこの部屋。
TL「えーズルい、するならAが大好きな俺とでしょ〜」
HC「まずヒョンは競技出てないじゃん」
JH「いや、ここは1人で活躍した俺じゃない？」
TY「わ、それは確かに ジェヒョナボーリング上手だったもんね」
YT「うん、それじゃあ とりあえずドヨンではないな」
DY「まだ始まってもいないんだけど？当たり強くない？」
JW「おれとは？行ってくれるよね？」
あぁ、カオスだ。私に振られた話のはずだったのに、私が一言話す隙もないくらい盛り上がり始めたヒョンたち。
ああだこうだ議論している間に、私が何かを言う機会もなく休憩時間が終わってしまった。
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作者名：めろんぱん | 作成日時：2023年3月13日 17時
