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「テンヒョン」
TN「…」
「……テンちゃん」
TN「ん、なに？」
先程からにぎにぎと私の手を弄るこの人は、何故か昔から私に“テンヒョン”と呼ばれることを嫌う。
窓の外を流れていく景色はもうすっかり秋めいていて、自分だけが取り残されてるような、そんな気持ちになる。
「これは拉致だって言っても大袈裟じゃないよ」
TN「だってそうでもしなきゃ練習やめないじゃん」
「そうでしょ？」だなんて得意気に片眉を上げたテンちゃんには何でもお見通しだから完敗だ。
朝からあった会社での雑誌のインタビューはお昼過ぎに終わり、そのまま練習室に篭ること3時間。
いつだかステージで間違えた箇所を重点的に確認していると、突然オートロックを解除する音がした。
驚いてドアの方を向くと、久しく顔を合わせていなかったテンちゃんが顔を覗かせていた。
TN「ご飯食べたの？」
「…食べてない」
TN「だと思った」
私の返事を聞いてズンズンとこちらにに進んできたテンちゃん。
早く荷物まとめて、なんてぶっきらぼうに言い放つと 慣れたようにスピーカーと繋がっていた私のスマホの接続を切る。彼に言われるがまま荷物をまとめると、すぐに私の手首を掴んで流れるように威神のバンに乗せられた。
……そして冒頭に至る。
『A〜、ウチのテンがごめんな』
「いや、私こそ急にごめんなさい」
『そんなの全然良いんだよ〜、ヤンヤンになんて毎日こき使われてるから』
「はは、想像つきます」
運転席からミラー越しに目を合わせてきた威神のマネヒョンは私がイリチルに入る時からこの会社で働いていて、威神のみんなと同じく家族ような温かい優しさを私にまで分けてくれる。
『テンも。A練習してたんだろ？邪魔してやるなよ』
TN「ヒョンは分かってないんだよ。Aは1人じゃダメなの！！誰かが見てあげないと」
分かりやすく口を尖らせて反論する隣の彼もまた、私にそんな優しさを分けてくれる中の1人で。今回もきっと、最近どんどん悪い方向に進んで行く私を見兼ねて連れ出してくれたんだろう。
「今からどこ行こうとしてるの？」
TN「ウチの宿舎」
「みんな折角宿舎で休みたいのに嫌がるでしょ…」
TN「Aご飯食べてないんでしょ？じゃあウチで食べればいいじゃん」
有無を言わせないような堅い笑顔を向けられたら、私が拒否できない事も分かってるはずなのに…やっぱりこの人は狡い。
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めろんぱん(プロフ) - hk1015さん» 前作もコメントくださいましたよね…！！本当に有難い限りです😭そうやって言ってもらえてとても嬉しいです（ ; ; ）これからもhk1015さんのご期待に添えるようなお話を書けるように頑張ります💚これからもどうぞ宜しくお願いします！！ (2022年11月20日 11時) (
レス) @page42 id: c9e8a3fe33 (このIDを非表示/違反報告)
hk1015(プロフ) - こんばんは！いつもお話楽しみにさせていただいています！このお話好きすぎるので終わってほしくないです😭😭 (2022年11月19日 21時) (レス) @page42 id: 0a7904ff1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めろんぱん | 作成日時：2022年9月27日 0時
