・ ページ37
.
「________ 最近上手く眠れないの、」
あれだけ渋っていた言葉は、想像よりも簡単に自分の口から漏れ出した。
それから何も言葉を発さないヒョンを恐る恐る見上げると案外ケロッとしていて、何故かお互い無言で暫く見つめ合う。
JH「うん、知ってた」
「え？」
JH「それに、Aがこれから練習室に行こうとしてたもの分かった」
シズニのみんながよくこのヒョンに対して言う“モチモチ”な笑みを浮かべて、さっき私がヘチャンにしてあげたみたいに頭を撫でてくるジェヒョニヒョン。
JH「…でも、自分から言ってくれて俺も嬉しかったよ。ありがとうね」
相談したのは私なんだから、お礼を言わなからばいけないのは私なはずなのに、相変わらずニコニコと笑ったままの目の前の彼。
「ヒョン…」
JH「何？惚れた？」
「ん、な！そんなこと！」
JH「そんな否定しなくてもいいだろ」
「いや、…ありがとうって伝えたくて」
JH「ふは、別に俺は何もしてないよ」
「ほら、夜遅いからもう横になろう？」なんて言って先に転がったヒョンを追いかけて私もすぐ隣に寝転ぶ。
ちゃんと私を壁側にしてくれるのが、ヒョンのさりげない優しさ。
布団に潜ると自分のものとは違う香りがして、改めてこの部屋に来ていることを実感する。
「ジェヒョニヒョン」
JH「…なに？」
「いい匂い」
JH「なら良かった」
ジェヒョニヒョンの心臓の音と体温と、香りと。
その中に自分の悩みがが全部溶けていくような感じがして心地良い。
JH「…眠くなってきた？」
「うん、」
JH「そ。なんか今のA、子猫みたい」
「…いつも言ってるね、それ」
JH「俺は初めて会った時からそう思ってるよ？」
寝転んでいるからかいつもよりももっと深みのある声が耳元で響いてくすぐったい。
背中には大きな手のひらで規則正しいリズムが刻まれて、久しぶりに自然と瞼が落ちてくる。
遂に朦朧とした意識の中で、
JH「…もっと甘えて、もっと信じて良いんだよ」
JH「おやすみ、A」
なんて声が聞こえたのが最後だったような気がする。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1017人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めろんぱん(プロフ) - hk1015さん» 前作もコメントくださいましたよね…！！本当に有難い限りです😭そうやって言ってもらえてとても嬉しいです（ ; ; ）これからもhk1015さんのご期待に添えるようなお話を書けるように頑張ります💚これからもどうぞ宜しくお願いします！！ (2022年11月20日 11時) (
レス) @page42 id: c9e8a3fe33 (このIDを非表示/違反報告)
hk1015(プロフ) - こんばんは！いつもお話楽しみにさせていただいています！このお話好きすぎるので終わってほしくないです😭😭 (2022年11月19日 21時) (レス) @page42 id: 0a7904ff1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めろんぱん | 作成日時：2022年9月27日 0時
