・ ページ36
.
JH「…あ、ドヨンイヒョンには今日こっちで寝るって言っとくんだよ？」
「あの人、Aのことになると重度の心配性だから」とほくそ笑みながら、自身がモデルであるブランドの文字が腕の部分に刺繍されたコートをハンガーに掛けながらそう言うジェヒョニヒョン。
「…帰るって選択肢は？」
JH「ん？そんなのないけど」
部屋の中でぽつりと発光する間接照明のオレンジに照らされる顔はいつ見ても整っていて、私を揶揄うように片方の眉毛をあげて見つめてくるから、私はいつだってこの人には上手く丸め込まれてしまうんだ。
「…ジョンウは？」
JH「マクの部屋で寝てる。だから今日Aはこの部屋で寝るの、分かった？」
有無を言わせないようなその圧に折れて、首を縦に振れば満足気に笑って、ベットに腰掛けると上目遣いで自分の隣を叩く。
JH「ほら、ペディン脱いで、突っ立ってないで」
その笑窪を見せられてしまったらもうお手上げだ。
着込んでいたペディンをハンガーに掛ければ、その逞しい腕に引っ張られて、簡単にジェヒョニヒョンの厚い身体に捕まえられてしまう。
JH「…で？Aはどこに行こうとしてたわけ？」
「んー、……外に？」
JH「こんな真夜中に？」
「…ジ、ジェヒョニヒョンだってコンビニ行ってたじゃん」
JH「俺は男だからいいけど、Aは女の子でしょ」
JH「変なヤツなんてそこら辺に沢山いるの。襲われるかも知んないよ？」
「私だって鍛えてるし…戦えるもん、」
先程からずっと私に疑いの目をかけてくる目の前のヒョン。
最近ジムで鍛えた成果を見せるために力瘤を見せてみたら、低い笑い声が静かな部屋に響いた。
かと思ったら一瞬でさっきの険しい顔を戻って、また私のことをじとっと見つめてきた。
JH「そうやってすぐ話逸らそうとする」
「バレた？」
JH「俺が笑ったら完全に“しめた”って顔してるんだもん。バレバレだよ」
口角はしっかりと弧を描いているのが見えるのに、視線はどこか冷めていて、このヒョンは一度気になったことの真実を知るまでは諦めない性格だったことをぼんやりと思い出す。
あれからすっかりジレンマを抱えた私。
“その背中に背負った荷物全部、俺たちに分けてもいいよ”
ついこの間テヨンイヒョンが紡いでくれた言葉が頭の中で反芻する。
「あのね、ジェヒョニヒョン________」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1017人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めろんぱん(プロフ) - hk1015さん» 前作もコメントくださいましたよね…！！本当に有難い限りです😭そうやって言ってもらえてとても嬉しいです（ ; ; ）これからもhk1015さんのご期待に添えるようなお話を書けるように頑張ります💚これからもどうぞ宜しくお願いします！！ (2022年11月20日 11時) (
レス) @page42 id: c9e8a3fe33 (このIDを非表示/違反報告)
hk1015(プロフ) - こんばんは！いつもお話楽しみにさせていただいています！このお話好きすぎるので終わってほしくないです😭😭 (2022年11月19日 21時) (レス) @page42 id: 0a7904ff1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めろんぱん | 作成日時：2022年9月27日 0時
