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一瞬下を向き泣きそうな顔をしたが、ぐっと堪えて無理やり笑顔を作るA。
『私のことは友達としてしか見れないって。』
『凪からの些細な一言で一喜一憂してた私、バカみたいだよね』
だんだんと声が小さく、か細くなり、下を向き今にも泣きそうな声で淡々と喋っていたA。
でも、ついに限界が来たのか膝を抱えて蹲ってしまった。
泣いてるのを隠すために声を出さないように我慢しているんだろう。
微かにすすり泣く声が聞こえ、心臓がキュッとなる。
好きな子が目の前で泣いてるのに、何も出来ない自分の無力さに嫌気が差す。
何で俺じゃないんだ。俺はこんなに好きなのに。俺なら絶対お前のこと泣かせないのに。
ドロドロした気持ちが俺の体をかけ巡る。
抱きしめて「俺にしろよ」なんて臭いセリフを言えたらどんなに楽か。
でもそんな勇気は俺にはなくて、ゆなの横に座り込んで背中を擦ることしか出来ない。
『告白なんかするんじゃなかった』
『こんなことならずっと今までの関係のままでいればよかった…』
「…アイツさ、俺と喧嘩しても次の日になればケロッとしてんだよ。だから多分明日にはいつも通り話しかけてくると思う。あんま気にすることないって」
絶対、今は気づいてないだけで凪もAのこと好きだし。
毎日1番近くで見てきたから分かる。
凪は明らかにAがいると楽しそうな顔をするから。
…でも教えてやらない。
このまま凪のこと諦めて俺のところに来てくれないかなって考えてる俺は本当に最低だ。
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作者名:ぴぴ | 作成日時:2023年2月14日 3時