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普段私から抱き着いたりなんて滅多にしないからか、戸惑う玲王の声が頭の上から聞こえる。
どくどくと早く動く玲王の心臓の音が、耳を伝って頭の中に入ってきてこっちもドキドキしてしまう。
お互いどうしていいか分からなくなり、そのまま数秒の時が経つ。
『…充電切れちゃったから、充電…、』
こういう時にぎゅーしたい気分だったから、とか素直に言えた方が可愛いんだろうなとわかってるけど、恥ずかしくて私には無理。
だから、充電とか適当言ってしまった。…いや、充電も相当恥ずかしくないか?
そう考えると顔が熱くなった。
その姿を見られたくなくて、玲王から離れ『じゃあ明日ね』と背中を押し、その場をやり過ごそうとした。
が、玲王はくるっとこっちに向きを変える。
突然のことにギョッとしたが、そんなこともお構いなしに玲王がじっと私を見つめてきたと思ったら「俺も充電」と抱きついて来る。
このドキドキ、玲王にも聞こえてるかも…と思えば思うほど、胸が熱くなり鼓動が早くなる。
恐る恐る抱きつき返してみると、更に玲王の抱き締める力が強くなった
「なあ、あんまり可愛いことしないで。離れたくなくなる」
そう耳元で呟かれて、恥ずかしさで足に力が入らなくなり腰が抜けそうになる。
そんな私を玲王は軽々と支え、顔を覗き込み「大丈夫か?」と聞いてくる
…私も離れたくないからもっとそばに居て。って言ったらどうなるんだろう。
まあ、そんなことを言えるはずもなく…大丈夫だよ、と玲王から離れる。
「…そっか。じゃあ、また明日な」
『うん』
可愛くない女でごめんなさい。
素直になりたい。
玲王のそばにいたい。
【お題】
冗談交じりじゃないと玲王に甘えられない
夢主。今日も「充電が切れました」なんて言いながら玲王に抱きついた。
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作者名:ぴぴ | 作成日時:2023年2月14日 3時