彼女の生い立ち ページ14
家への帰り道。いつもと違って信じられない程に足どりが重い。ぼんやりと私はマキマさんの言葉を思い出した
"君にはデビルハンターになって欲しいんだ。"
"デビルハンターにならなかったらもうデンジくんとは二度と会えなくなるよ。"
…デンと会えなくなるのは確かに嫌だ。
でも、もしデビルハンターになってしまったら…。
私が死んでしまったら……。
「今」のお父さんやお母さんはきっと泣いてくれるだろうか
ふと私は自分の小さい頃を思い出した。
__________ ____ ___ __ _ _
ー私は孤児だった。
父は幼い私や兄弟と母を捨てた。
そんな父と顔がどんどん似てくる私が憎かったんだろう。
殴られ蹴られの毎日で母の顔すらはっきり覚えていない。
その時はそれが母からの愛なのだと、当たり前なんだと不思議にすら思わなかったが、今考えると悲惨な幼少期だった。
10歳になる前に、私以外の兄弟はみんな弱って死んでしまった。そして母は父と同じように私を捨てた。
でも、兄弟が死んでも、母に捨てられても、悲しくも辛くも無かった。
_そんなときに今の両親に拾われて、私は初めて人並みの愛に触れた。そんな両親には今もずっと感謝している。
_そうか、私はやっと「普通」になれたから、「普通じゃない」デンの事を昔の自分と重ねてしまい、放っておけなかったんだと気づいた。
例えデビルハンターになっても痛いのはとっくの昔に慣れっこだし、なんなら死ぬのだって怖くない。
でも、私の家族は何にも変えられない。
『…うん。決めた。』
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レオレオコ - キル坊さん、教えてくれてありがとうございます。外せてますかね? (2022年12月8日 19時) (レス) id: 8e8d416846 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - オリ.フラ立ったまんまになってますよ〜! (2022年12月8日 9時) (レス) id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レオレオコ | 作成日時:2022年11月29日 18時