妖怪嫌いは妖怪とその仲間に愛されているようです

どうしてこうなった ページ32

鬼｢A〜♪｣ｷﾞｭｯ
｢…おい、苦し…鬼｢ん〜Aはちっせぇな！抱きつきやすい！｣おい、話を聞け｣
…どうしてこうなった。
昨日会ったばっかりのくせに抱きついてくるとか、パラレルワールドの俺フレンドリーすぎじゃね？((
しかもちっせぇって…確かにコイツの方が俺よりでかいけど…
鬼｢俺はAだからやってるだけだぜ？酒呑童子なんかには絶対やらねーよ｣
｢…酒呑童子泣くぞ｣
鬼｢泣いとけ、そして散れ｣
｢お前酒呑童子嫌いか？｣
鬼｢大っ嫌い☆((｣
…鬼夜は意外と毒舌なんだな。
鬼｢あ、そうだA！外に連れてってくれよ！｣
｢はぁ？なんでいきなり…｣
鬼｢俺こっちの世界の景色とか全然見た事ねぇんだよ！どんなもんか見てみたいんだ！｣
子供のように目を輝かせる鬼夜。
…そんな顔されると断りにくい。
｢…見つかったら面倒だぜ？｣
こいつは妖怪だから、他の人間に見られることは無い。
俺が言っているのはナツメ達のことだ。
どんな誤解をされるかわかんねぇからな…
鬼｢そん時は俺が記憶を消しといてやるよ！｣
…なんか物騒な言葉が聞こえた気がする。
まあいいか…
｢…じゃあ行くか｣
鬼｢おう！｣
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
鬼｢おおー！景色が全然違う！｣
｢あんま大声出すな｣
鬼｢すまん(´・ω・｀)｣
…そういやメリィとか妖斗とかに、外に行くっつってなかったな…
まあいいや((
鬼｢Aー！あっち行こうぜー！｣
｢分かったから大声出すなっつの｣
グイグイ手を引かれるまま、街を巡る。
｢楽しいか？｣
鬼｢おう！めちゃくちゃ楽しい(｀・ω・´)｣
｢そうか…｣ﾌｯ
思わず笑みが零れた。
鬼｢！か…｣
｢？か？｣
鬼｢可”愛”い”ッッッ！！！｣ｷﾞｭｳｯ
｢おぶぁっ！？｣
いきなり抱きしめられた。
そのままわしゃわしゃと髪を撫で回された。
鬼｢はぁ〜…なんでAはそんなに可愛いんだ〜！？｣
｢お前もかよ！てか離れやがれ！｣
鬼｢やだ〜｣
引き剥がそうとするも、自分よりも体格がいいせいで動かん。
そろそろ痛てぇ…と思っていると…
ハ｢やあ、A？奇遇だね｣
｢お、おう、ハルヤ…そうだな…｣
な、なんかハルヤの目が怖い気が…
ハ｢…ところでそいつはどちら様？｣
｢い、いやこれは…｣
ハルヤが俺の前に来てずいっと顔を近づけた。
その水色の瞳の奥に、黒い何かが渦巻いているような…？
…見間違いか。
どうでもいい事を考えていると、抱きしめる力が強くなった。

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