出会いはここから ページ2
Aside
｢…まぶい｣
思わず呟いてしまう。
今は冬だと言うのに、今日は晴れている。
まあ冬と言っても始まったばかりである。
晴れていても無理はない。
今日は休みの影響か、人が多い。
それのせいで気分は下がっていくばかり。
そしてまたひとつ、俺の気分を氷点下まで下げる出来事が起きる。
ﾄﾞｶﾞｰﾝ!!
｢…ああ？｣
何だありゃ…黒いデカ物が暴れてやがんぞ…
あの様子だと…怪魔か？
その下に目線をやると、俺と同じぐらいの男女3人が妖怪を呼び出し戦っている。
だがまあ、歯も立たないわけだ。
そりゃそうだ。相手の方がリーチは長いし、弱点も遠い。勝てなくても文句は言えねぇ。
どっちにしろ俺には関係ねぇ。
そう思って立ち去ろうと思った。
瞬間、過去のトラウマがフラッシュバックする。
姉さんが死んだあの日。
自分をかばって死んだ姉を嘆くことしか出来なかった弱者。
それは、自分だ。
自分のせいで、姉さんは死んだ。
そう。
自分の…
｢…チッ…｣
踵を返し、そのデカ物を見上げる。
俺はポッケから紙切れを取り出した。
なんて書いてあるか読めねぇが、｢御札｣だ。
それに念を込め、こう言った。
｢妖術壱の方、鬼火｣
たちまち淡い炎が出来、デカ物の方へ直撃した。
野太い叫びをあげる怪魔。
｢こっちだデカ物!!｣
そう挑発じみたセリフを叫び、そいつの注意をこっちに引きつける。
逆上して襲いかかって来る怪魔。
｢大人しくしろってんだ!!妖術弐の式、封輪!!｣
札を投げれば、輪っかから鎖が伸びそいつの動きを封じた。
動けないそいつに近づき、札を張りつけこう言った。
｢妖術伍の門、焔花火｣
たちまち花火のように弾けた炎で、そいつの顔は焼け焦げて消えた。
｢はぁ…｣
真昼間からおっぱじめてんじゃねーっての。
これだから妖怪は嫌いなんだ…
？｢あ、あの！｣
お下げの女がこっちに駆けてくる。
それに続き、男2人にが着いてきた。
？｢た、助けてくれてありがとうございます！｣
｢…礼を言われることなんざしてねーよ｣
？｢そんな訳ないです、助けてくれたんですから｣
青髪の男が言う。
｢偶然だ偶然。次はねぇぞ｣
？｢さっきの妖術、凄かったな！｣
妖術か…そういや、いつからあんなん使えるようになったっけ…
そうだ、姉さんが死んでから…
…やめよう、考えるのは。
とにかく今はここから離れたい。
周りの視線が痛い。
｢妖怪と関わるからああなるんだよ。言っとくが今回はまぐれだ。次はねぇぞ｣
それだけ言って立ち去った。
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クランドール・ブラッディ - ヤンデレ来て欲しいです！お忙しい中ありがとうございます！ (2021年5月4日 22時) (
レス) id: fad690bd23 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶黒狐@(プロフ) - ありがとうございます！ヤンデレは正義と思ってるのでもっと頑張ろうと思います！ (2019年4月22日 13時) (レス) id: 82343ea2fc (このIDを非表示/違反報告)
まらそ - ヤンデレは読んでて怖楽しい！(？)これからもお忙しいかもしれませんが、頑張ってください。 (2019年4月22日 13時) (レス) id: 16a78ad417 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶黒狐@(プロフ) - ありがとうございます！はわわ…すっごい嬉しいです…！！ (2019年3月30日 8時) (レス) id: 82343ea2fc (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆 - 最高にいい作品だと思います！続き楽しみにしてます (2019年3月30日 3時) (レス) id: 38976ecf1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：胡蝶黒狐@ | 作成日時：2019年1月14日 23時
