Nを待って

SPK？ ページ49

“ニアは私達と別でキラを追っています。

　ＳＰＫという、
　FBIやCIAなどの捜査官を集めた
　小さな組織です。

　顔もそのニアという名ではなく、
　Ｎと名乗っていますが”


「そうだったんですか………」


Ｎはニアの頭文字。

ニアのはず。


「メロは………？」


私が尋ねると松井と名乗った
あの若い捜査官が口を挟んだ。


「あいつは人殺しだ。」


「は？」


信じられない言葉に思わず、
聞き返してしまった。


“松井さん、落ち着いてください。
　今、彼女にする話ではありません”


「ちょっと！話が違うじゃないですか。
　私はメロのことも知りたい。
　それに、人殺しなんて聞き捨てありません。
　説明してください。」


「そのまんまですよ。
　メロは局長を…………！」


「そのまんまって、
　人を殺したということですか！？
　ふざけないでください。」


私は声を張り上げて松井を睨んだ。


「そうですよ。メロは局長を殺したんだ。
　あの爆発の中、自分だけにげたんだ。」


「松井、落ち着け。」


相原と名乗った男が止めようと、
松井に近寄ったが、彼は続けた。


「その後、後遺症で局長は亡くなったんだ。」


「ふざけないで！
　メロがそんなことするわけがない。

　私にはあんたの言う局長が誰か分からないし
　メロとどういう関係か分からない！

　でも、メロは簡単に人を殺さない！」


そんなわけない。
確かに、見た目が怖いかもしれない。
様子が怖いかもしれない。

でもメロは、私の知るメロは、
そんなことしない。


「そんなにあいつをかばうってことは
　メロと関わっているのか！？
　僕たちから情報を抜き取るためにここに
　いるんだな！？全てはけ！」


「ふざけるのもいい加減にして!
　しかも私はあなたに聞いていない、
　Ｌに聞いているの。」


「A。」


私が彼に怒鳴り返していると、
後ろから固い鋭い声が私の名を呼んだ。


「マット……………!！」


「部屋に戻れ。」


「なっ………!私は今………」


「戻れ。」


なんで？？
メロが犯罪者扱いされるのを
黙って聞いていろとでもいうの？


私が再び言い返そうとすると、
マットは私を掴み、呆然とする彼らとＬに言った。


「すみませんが、お引き取りください。」


松井という男は不満そうにしていたが、
相原という中年の男に連れられて去っていった


その後ろ姿を私はただ、睨んでいた。

差→←“２代目”Ｌ

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