さよならは言わない ページ41
「ニア!!待って!!!」
その声に気づいたのか、
ニアはぴたりと止まり、車から出てきた。
驚きのような、安心したような、
複雑な表情だった。
息を切らしながら、
彼の元にかけより、ぶつかる寸前で止まって
私は言った。
「ニアがいなくなるのは嫌だ…………
絶対にやだ…………。」
私の目からわっと涙が溢れだす。
「怖くないの?!……
嫌じゃないの?!………」
聞きたいことを一度に吐き出した。
ニアが行くのが、どうしても嫌だったから。
「なんで、Lの後なんか継ごうと思うの?……」
やっぱり、怖いからやめる。
メロを連れ戻しに行く。
みんなで大人になる。
そう、言ってほしい………
そうだといいのに……
しかし、ニアは私を優しく見つめながら、
こう言った。
「A…
誰かがならなくてはいけないんです。
世界の本当の平和を守るために、
戦ってきたLの意志を誰かが継がなくては
いけないんです。
でないと、Lが自分の命を犠牲にし、
後の者に託した意味が
なくなってしまうんです。」
Lは負けてしまった……
だから、ニアが、メロが、
行かなくてはいけない………
世界を守るために。
苦しむ誰かを守るために。
分かってたはずだった。
ワイミーズハウスの子どもになるのは
そういうことだって。
でも、でもね……
「寂しいよ………。」
彼の肩に顔をうずめて、泣いた。
だって、そういうことでしょう?
私はまた、残った者になるんでしょう?
「ニア…………、私も連れてって。」
「だめです。」
「どうして?」
私はニアの側にいたい。
お別れなんてしたくない。
「今、あなたが来るべきではないから。」
ぐっと歯を食いしばった。
私がニアとメロくらい、
頭がよかったら、連れていってくれるの?
悔しかった。
私はニアにもメロにも勝てず、
追いつけないことは分かっていたから。
「でも、必ず、生きて戻ります。
Aに再び会いに、
いや、むかえに行きます。
そうしたら、
また、一緒に暮らしましょう?」
ニアはそう言うとさらに笑った。
私はうなずいた。
「帰ってきてね………?」
「はい。」
「必ずね………?」
「もちろん……A?」
彼は言った。
「大好きですよ。」
また、ぽろりと涙が出る。
「私も大好き……。」
それから、ニアはもう一度笑うと車に乗った。
私は車が見えなくなったあとも、
立ち尽くし、ニアのいた後を見つめていた。
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リお(プロフ) - ユンさん» 私もテストです!頑張ってください! (2019年6月19日 19時) (レス) id: 2bc0f3695a (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - 依音さん» お優しい言葉ありがとうございます!おかげで心元気度(?)がMaxです! (私たまに変な言葉を使います笑) 最後まで完結できるように頑張るので よろしければ、これからも読んでいただけたら幸いです! (2019年6月12日 23時) (レス) id: 6c2bf9b248 (このIDを非表示/違反報告)
依音(プロフ) - 面白いです!無理せず更新頑張ってください〜 (2019年6月12日 4時) (レス) id: 109cc18de9 (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - あっきーさん» わわわわわ!!!ほんとにコメをもらってしまった!!!!ありがとう!あっきーさん!!また、コメするね!!!(≧∇≦) (2019年6月10日 18時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - 中村千尋さん» ありがとうございます!少し更新が遅れることもあると思いますが、全力をつくします!!!(燃え尽きないくらいで笑)これからもよろしくお願いします! (2019年6月10日 18時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
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