無力 ページ37
外はもう暗く、大雨だった。
メロの部屋の前を通り過ぎたとき、
人気がなかったから、
もう、門の前まで来ているのかもしれない。
私は水たまりの水をはじきながら、
門へと走った。
ガチャガチャと門の鍵を開けようとする
人影があった。
「メロ！やめて！！」
私は彼から鍵をむりやり離した。
「なんだよA。」
イライラと私に目を向ける彼の肩を掴んだ。
「行かないで！
こんな時間に外に行ってどうするの！？
このまま施設をでてどう生きていくの！？」
叫ぶと、メロがそうか、と言い、
バッと肩の手を振りほどいた。
「Aは聞いていたんだな。」
しまった…………
ハッとしたが、もう、そんなことは関係ない。
「そうだよ！全部聞いてた!‼
Ｌが死んだことも、
この施設を出ていくとロジャーに
言ったことも！」
開き直って怒鳴ると、メロが私を冷たく見た。
「それを知ってどうするんだよ。
止める気か？」
「そうだけど？」
「お前には関係ないだろ？」
「関係なくない！」
ハッと彼が鼻で笑った。
「自分の力で生きるってどうするの！？
感情的に走るからそうなるんでしょ！？
だから、ニアに負けるんでしょ！？」
はっと口を押さえた。
一線を越えてしまった……
「やってみせろよ。」
メロが私を怒りに満ちた顔で見ていた。
一瞬、その勢いにひるんでしまったが、
ここで引くわけにはいかない。
でないとメロがここからいなくなる。
「何を！？」
「出ていくのを止めてみせろよ。」
そっちがその気ならやってやる……
大声で怒鳴った。
「上等だよ。外になんて行かせない。」
私は門に走り、
そこで門をガシャンと強く蹴り、
メロが動くより速く、もう一度、
彼に掴みかかった。
絶対に行かせはしない!!!
しかし、メロはいかにも、
赤子の相手をするかのように、
私の手をひねり、
バンと地面に押し倒した。
背中に衝撃がきて、
石が刺さるのが分かった。
痛みで悲鳴がでる。
メロのギラギラとした視線が
私を見下ろしている。
抵抗も虚しく
メロはびくともせずに、
私を地面に押し付けていた。
男女の力にはこんなにも差があるのか…
恐怖で涙が雨に混じって溢れる。
彼は私を睨んだまま、立ち上がった。
私には起き上がる気力もなく、
ただ倒れているだけだった。
もう…止めることはできない。
門が閉まる音がする。
「っああああ!!!!」
私は悔しさと無力さの狭間で叫び、
雨に打たれながら泣いた。
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リお(プロフ) - ユンさん» 私もテストです！頑張ってください！ (2019年6月19日 19時) (
レス) id: 2bc0f3695a (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - 依音さん» お優しい言葉ありがとうございます！おかげで心元気度(?)がMaxです！ (私たまに変な言葉を使います笑) 最後まで完結できるように頑張るので よろしければ、これからも読んでいただけたら幸いです！ (2019年6月12日 23時) (レス) id: 6c2bf9b248 (このIDを非表示/違反報告)
依音(プロフ) - 面白いです！無理せず更新頑張ってください〜 (2019年6月12日 4時) (レス) id: 109cc18de9 (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - あっきーさん» わわわわわ！！！ほんとにコメをもらってしまった！！！！ありがとう！あっきーさん！！また、コメするね！！！(≧∇≦) (2019年6月10日 18時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - 中村千尋さん» ありがとうございます！少し更新が遅れることもあると思いますが、全力をつくします！！！（燃え尽きないくらいで笑）これからもよろしくお願いします！ (2019年6月10日 18時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
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