Nを待って

ドアのむこうに ページ20

ニアside





　ガチャりと戸が開いて、
　何者かが部屋に入ってきた。






　前はこの音を聞いても、
　振り向きもしなかったのに、
　最近は、足音がしたら、
　ドアを見るようになった。






　でも、そこにいたのは違う人物だった。






　「………………」





　黙って、玩具に向き直ると、
　何も言わない彼に話しかけた。






　「なんの用ですか？」






　「Aが泣いていた。」






　「……………
　 私にどうしろと？」







　「別に？」







　そう言い、メロは真顔で私を見た。







　「僕は別に、お前達の仲直りとやらを
　 手伝う気はない。」







　…………………








　「いいこと教えてやるよ。」






　「？」






　「お前は行動力に欠けるんだ。」






　「そうですか。で、用件は？」





　私はメロに借りを作られたのが、
　不満で訪ねた。





　「Aに自分が何を思ってるのか、
　 もう一度、考えるんだな。」






　メロはそう言って去った。

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