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膝上に乗った小動物を思わず穴が空くくらい、いや穴は空かないけどそれくらいに凝視してしまった。
え、たぬき？たぬきだよね？
私の心の言葉に答えるようにたぬきみたいな謎の小動物はきゅうっと鳴いた。ひぇえええ……本物のたぬきだ。
なんで海の上にたぬきが？という不思議以上にゆらりと揺れる尻尾に、小動物好きの魂がこの上なく疼きます。
(さ、触ってもいいのかな)
もふもふの尻尾に魅せられ、おいでと手を伸ばしてみる。嫌がられるかな？人見知りタイプの子だと、怖がっちゃうんだよね。
でも、たぬきちゃんはご機嫌な様子で目をキラキラさせながら、私の腕に擦り寄ってきた。
指先に擦りつけられた鼻はちょっぴり湿っていて擽ったいけど、何だかほんわかとしてしまう。
あぁ、小動物は最強ってこういう事なんだな。
すごく可愛い
えぇ、できる事ならうちの子にしたいです。
私に触られる事に抵抗は無い様で、頭を撫でると心底気持ち良さそうにクルクルと喉を鳴らす。
余りにも可愛いので、更に撫でる。ついでに疑問に思った事を尋ねてみた。
「なんて名前なの？」
きゅうっ
「どこから来たの？」
きゅうっ
「家族はいないの？」
きゅうっ！
義務の様に、元気なお返事で親切に答えてくれるたぬきちゃん。
でも、勝手に聞いておいて何なのだけれど、生憎、私はたぬき語を知らないので言ってる事はサッパリ分かりませんでした。
でもまぁ、たぬきちゃんの方は私の言葉が理解してるみたいだし。
それに毛も手入れが行き届いているから、ひょっとしたら、飼い主がいるのかもしれないな。
だけど、このまま此処にいたらいつか四人の誰かに見つかって食べられるって事も否めない。
逃してあげようも、私自身も閉じ込められている身なので難しい話だ。
家に返すのは、多分不可能だろう。
「飼い主さん、心配するよなぁ……」
少し罪悪感に駆られながら溜息が出た。
自分の事すらままならないのに、他動物の心配するのは筋違いかもしれないけど、やっぱり可哀相だ。どうにか出来ないのかな
「あれ、どうしたの？」
私の呼びかけに答えず、突然、床に飛び降りたたぬきちゃんはオープン状態のドアを通り抜ける。行っちゃうのかな？
しかし、廊下に出た所でくるりと振り返った。そして呆然としている私を急かす様に前足で絨毯を叩く。
「もしかして……付いて来いって事？」
質問の答えは、相変わらずの鳴き声だった。
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ユン(プロフ) - LiLi Kaさん» コメントありがとうございます！拘っていた所だったので、気づいていただけて、とても嬉しいです！！ LiLi Kaさんの仰る通り、濃いめの青にしてみました！！ (2020年6月16日 0時) (
レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
LiLi Ka(プロフ) - 惨めのところ色違う？濃い青みたいに見える…もしわざとなら主人様のセンス光ってる！ (2020年6月15日 20時) (レス) id: ef0b88e85e (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - tamaさん» コメント、応援ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいです！！よかったら、主人公ちゃんと4人の行方を見守ってあげてください！笑 (2020年6月9日 10時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - この作品、とても好きです！応援してます！ (2020年6月8日 23時) (レス) id: 38d6d4018c (このIDを非表示/違反報告)
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