［10］ ページ11
_
━━ 中村side ━━
正直、Aちゃんの年齢を聞いて驚いた。
俺より年下の悠誠の先輩だっていうし、
少し幼めの可愛い顔の印象も相まって、俺らと同じくらいだと思ってた。
うちの最年長と同い年か…
でも、それなら尚の事安心したかも。
正直キャピキャピしてくる子より、
落ち着きのある、年上のAちゃんみたいな子の方がしっくりくる。
どんな子かわからないし、話し掛ける前に観察してたけど、
周りの事をよく見てて、常に周りに気を配ってくれてる、そんな感じ。
一緒にいて安心するタイプ。
悠誠が信頼してる意味が、Aちゃんなら何となくわかった。
そういえば……、
中村｢Aちゃんって、彼氏…とか、いるの？｣
何の気なしに聞いた質問。
『あ、…いますよ、』
って、当たり前に返ってきた言葉。
Aちゃんの言葉に出しかけたスマホはまたポケットに仕舞った。
中村｢え、大丈夫なん？今日、俺ら男ばっかだけど…｣
『特には…、お互いあまり干渉しないので…』
中村｢そっか…、ならいいんだけど…｣
いるのか…、彼氏。
そう思ったら何故かモヤモヤとした微妙な気持ち。
Aちゃんが好きとか、そういう訳ではないけど、
ファンの子が違うグループのコンサートに行ってる…とか。
そんな感じに近い気持ち。
中村｢…まさか、俺ら以外に好きなグループとか…｣
『あ、……それもいます…、』
中村｢うーわー、Aちゃん浮気者！笑｣
『わー、ごめん…！
…でも！同じくらいTravisJapanの事好きだから！』
中村｢ほんとに〜？じゃあ明日のライブ楽しみ？｣
『もちろん！めちゃくちゃ楽しみにしてた！
その為にこんなにグッズいっぱい買ったので！』
中村｢ふはっ、そかそか、じゃあ許してあげる笑
明日はもっともっと、いっぱい好きにさせるから覚悟しといて｣
慌てる様子が可愛くて、つい揶揄ってしまった。
まぁちゃんと俺たちの所に帰ってきてくれるなら良いんだけどね。
中村｢……ねぇ、明日の感想聞きたいから、
その……連絡先…、交換しない？｣
目的はそれだけ、だから。
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 408人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れおな | 作成日時：2023年2月12日 9時
