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AA27歳。フリーター。地方住み。
この歳になって正社員にならないのにはちゃんと理由がある。
私の趣味でもあるアイドルオタク。
大好きな担当の為に働いていると言っても過言じゃない。
だって、仕事に縛られたら満足にオタ活出来なくない？
因みに彼氏は居ます。これとドルオタは別の話です。
私が好きなのはデビュー済みの同世代有名男性グループ。
毎回の事ながらチケットは争奪戦で、今回も見事勝ち取ったドーム公演。
今回は私の担当グループにデビュー前のグループがバックとして付くらしい。
私はそっちには疎くて、かろうじてグループ名がわかる程度だった。
今日はコンサート当日。
彼氏とのデート以上にバッチリと着飾って会場へと向かった。
入場口で座席を確認すると、外周が近くとても見やすい良席。
これはファンサ貰えるかも！…なんて、淡い期待を込めながら開始時刻を待った。
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会場内が暗転し、大きな歓声と共にメンバーが登場する。
私もドーム公演では必需品の双眼鏡片手に団扇とペンライトを振った。
キラキラと輝く照明の中で歌って踊る姿。
今日も自担が尊い…！
個人の名前はわからないけど、後ろで踊る子達も双眼鏡の視界に入ってくる。
やっぱりデビュー前でもキラキラしてる…！
コンサートも終盤に差し掛かった頃。
目の前の外周を自担が通るけど、毎度絶妙に運が無い私。
今回もあと少しの所で背中を向けた状態で目の前を通り過ぎて行った。
…うん、何となく予想してたよ。
でもやっぱり少しヘコむ…
すると、自担の後ろを歩いてたハーフっぽい顔の二重でタレ目の男の子。
綺麗で可愛い顔してるなーって思いながら眺めていたら、
笑顔で此方に手を振ってくれた。
思わず振り返すと、少し顔を伏せながら衣装のキャップを被り直し、
再び笑顔で振り返してくれた。
おー、ちょっと照れた感じも可愛い…！
多分あれはTravisJapanのメンバーの子…だよね？
MCで紹介されてたけど顔と名前が一致しない…！ごめん。
でも、自担には干されたけど、少し幸せな気分を分けて貰った。
あの男の子は誰だったんだろう……
後々、バックに付いていたTravisJapanも推す事になり、
この日幸せを分けてくれた宮近海斗くんの担当になり、
私の推し事に彩りを添えてくれる存在になるとは
この時は微塵も思ってなかった。
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作者名：れおな | 作成日時：2023年2月12日 9時
