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《73》 ページ25

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── ピンポーン…


扉の向こうで特有の音が微かに響き、すぐにパタパタと足音が聞こえた。


"いらっしゃい"という言葉と共に海斗くんが姿を現し、扉を抑えて招いてくれた。

この間と同じ光景。何も変わらない。

自覚したばかりのこの感情を除いて。




『お邪魔します、、』


宮近「どうぞ……って、どしたの?笑」


『あ、いや…何でもない』


前回と状況に大差は無いのに。
気持ちの変化というモノはだいぶ大きいみたいで。

玄関をくぐる直前で立ち止まってしまった。



廊下を抜け、そのままリビングへと案内される。


宮近「適当に座って待ってて、持ってくから」


『うん、ありがとう』









.








遠慮がちにソファに腰掛けて待っていると、キッチンの方からガサガサと袋の中を探る音が聞こえ、大きな袋とグラスを持った海斗くんが現れた。

宮近「わかんねーからグラスだけ、後は適当に出して。笑」



海斗くんも並ぶ様にソファに座るけど、
"やっぱこっちがいいや"なんて、また床にズルズルと滑り降りた。



宮近「Aは?こっち座んないの?」


『あ、ううん。こっちで良いよ』


ただでさえ距離が近い空間なのに、
そんな距離は今の私には耐えられる気がしなくて。


"ふーん"って言葉を発しながらテレビへと視線を移す海斗くんの表情はこちらからは見えなかった。




宮近「とりあえず何見る?」

ジャンルの一覧を表示して少し見上げながら私の方を振り返る。



海斗くん怖い系ダメだし、ミステリー、とか……?

1人で考えていると、"何か見たいのがある?"って問われるから咄嗟に"何でもいいよ"と答えてしまった。



宮近「そう?…じゃあ俺これ見たい、」


そして再生された恋愛モノ。

あ、コレ映画館に観に行きたかったけど時間が合わなくて行けなかったやつだ…。



少し前に流行った小説を実写化した物で、The·王道って感じのストーリー。



まだ恋人同士ではない主人公達の間に、たまに甘い空気が流れるのが画面越しに伝わる。


少し低い位置で静かに画面を見つめる海斗くんと

私はその空気感に何だか妙に緊張してしまってグラスを口に付ける回数が増える。



宮近「A大丈夫?ペース早くない?」


『え?…あ、だ、大丈夫!』

ものの30分で空いた2本の缶。
海斗くんはまだ1本目すら残っている。


宮近「あんま無理すんなよ?笑」



少しふわっとした思考の中、"大丈夫だよ"って再び私はグラスを口に付けて笑った。







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れおな(プロフ) - 宮近くん大好きさん» 数ある作品の中からこの作品に出会って頂きありがとうございます!リクエストもありがとうございます!連載中の作品もある為少しお時間を頂く様になるのですが、リクエストにお応えしたいので気長にお待ち頂ければ幸いです。 (3月7日 3時) (レス) id: 23908185a8 (このIDを非表示/違反報告)
宮近くん大好き - 初めまして。宮近くんの小説を捜してたら辿り着きました。番外編のリクエストです。妊娠疑惑のお話と妊娠&出産のお話をお願いします (3月5日 19時) (レス) @page36 id: a964eda7da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れおな | 作成日時:2021年1月24日 11時

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