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━━━ 宮近side ━━━
慣れない仕事を自分なりにこなし、少し疲労感が増した初週を終えた金曜日。
終業時間になると早々に労いの言葉を残して、
背向かいのデスクの彼女はオフィスを出て行った。
明日は休みだしちょっと呑みたい気分。
そう思い、いつものグループに声を掛けてみたものの返答に撃沈。
こういう時に限って二人共"先約がある"だと。
どうすっかなー、なんて会社を出て、
自然と足が向かった先は先日三人で呑んだ店。
「いらっしゃいませー、何名様ですか？」
宮近「一人なんですけど、」
そう伝えると自然と案内されたカウンター席。
華金という事もあり、少し賑わう店内に焼き物の匂いで空腹を刺激される。
宮近「とりあえず生で、」
注文するとすぐに運ばれてきたジョッキ。
フワフワな泡とのバランスが絶妙で、
空腹な身体にぐーっと流し込んだ。
あー、うま。
メニューを見ながら食べたい物を注文した時。
少し遠くで、"たっはー"なんて独特な笑い声が聞こえた。
こんな笑い声の人海人以外にいるんだ、なんて思って声の聞こえた方を向けば、座敷に座ってるのはどう見ても本人で。
何で、って思うのが普通で。
向かいにはもう一人の"かいと"も目に入った。
……俺だけ除け者かよ。
少し寂しい気持ちを抱きながら、
二人の元に近付いた。
恥ずかしそうに焦る松倉。
いつものように白い歯を見せて笑う海人。
宮近「え、何でお前ら居るんだよ」
.
……そう声を掛けた時、
カウンターからは見えない位置に女の子が二人。
あ、先約ってこの前言ってたやつか。
少し頭の中で理解が追い付いて、再び見渡すと先程オフィスで労いの挨拶をした彼女。
宮近「あれ、Aさんじゃん」
『え！？宮近くん？』
まさかこんなとこで遭遇するとは。
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作者名：れおな | 作成日時：2020年12月10日 6時
