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木曜日までの忙しさが嘘のように、
プレゼン会議が終わった午後はのんびりと時間が流れていく。
周りの人も昨日までは慌ただしく動いていたけど、皆のんびりと仕事をしている。
「…Aさん、はいこれ」
背中側から声が聞こえ振り向くと、椅子に座った状態の宮近くんが居て。
小さな四角い付箋を渡して、そのまますーっと自分のデスクに戻って行った。
"今日時間差で出るから、先に店行ってて"と。
男の子らしい字で、その一文だけ書かれていた。
終業時間まで後2時間。
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『…では、お先に失礼します、お疲れさまです』
川島「Aちゃんおつかれ！」
山田「俺も先に出よーっと、皆おつかれー」
珍しく山田主任と一緒に会社を出る事になった。
山田「Aちゃんは、仕事楽しい？」
『はい！楽しいです！』
山田「そっか、そっかそれは良かった笑」
食い気味に答える私に笑いながら主任は言った。
山田「宮近とも仲良くなったみたいで良かったよ、」
『えっ！？』
少し予想してなかった言葉に驚きながら、周りからはそう見えてるのかなーなんてちょっと嬉しく思った。
山田「あいつ昔から人見知りで、…俺も他の人の事言える程社交的じゃねーんだけど笑
まぁ始めは無愛想な部分もあったりで誤解されやすくて」
『確かに……私も思ってました…』
でも、初めてちゃんと喋った時。
うみくんや松倉くんと笑い合う姿を見てから、
宮近くんの印象は随分変わった。
普段の優しい一面も知った。
『宮近くんはとっても良い、と……同期です、』
友だち、そう言いかけて止めた。
自分でもわからなくて。
同期ではあるけど、友だち……なのかな？って。
山田「これからもアイツの事よろしくね」
それだけ言うと、山田主任は"今日は奥さんとの結婚記念日だから"って颯爽と帰って行った。
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先にお店に着いて、一人で中に入った。
『後で一人来ます、』
偶然にもこの間と同じ座敷席に案内された。
15分程して、
宮近「……お待たせ、」
急いで来たのか、少し息の上がった宮近くんが向かいの席に座った。
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── 裏話 ──
実は山田主任、私が前作【 赤い糸 -繋がる電話-⠀】で書いていた山田くんと同一人物という設定です。
グループ外の人を出したのはこの設定を出したくて。笑
イメージ的に記念日に急ぐ山田くんが想像出来ました。
では、また次回の更新で。
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作者名：れおな | 作成日時：2020年12月10日 6時
