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宮近「あれ、Aさんじゃん」
『え！？宮近くん？』
声がする方を向けば、いつもオフィスで挨拶を交わすだけの宮近くんが立っていた。
松倉「あっれ！？ちゃかじゃん、何してんの？」
宮近「いや、それはこっちのセリフ…と思ってたけど、この前言ってたやつだよな」
ごめん、邪魔して…、そう言いながら申し訳なさそうに踵を返した彼。
中村「え、待てよ！
ちゃか、Aちゃんと知り合いなんだろ？
こっちで一緒に呑もうよ！」
いや、でも………、なんて分が悪そうに少し目が合った後すぐに逸らされた。
『あ、あの…！宮近くんが嫌じゃなければ……ぜひ、』
我ながら頑張ったと思う。
部署が同じでもほとんど喋った事のない人に声を掛けた。
でも、この二人の友だちなら悪い人ではないと直感的に思った。
宮近「あー、じゃあちょっと失礼します
向こうで呑んでたから、店員さんに伝えてくるわ」
そう言ってカウンターの方へ向かい、すぐにジョッキを片手に戻ってきた。
松倉「ちゃかちゃか！こっち座れよ！」
宮近「おー、……その様子だと誤解は解けた感じ？笑」
宮近くんは少し笑い、松倉くんの顔を覗き込みながら隣に腰を下ろした。
松倉「っ！そうだよ！ちゃかごめんな！
まっじで、全部コイツが悪いんだよ！」
そう言いながら松倉くんに指を差されるうみくん。
さっき言ってた落書きのやつかな？なんて思っていたら、横からたっはーって笑い声。
宮近「ははっ、別にいいよ笑
海人から事情は聞いたし、松倉のせいじゃねーし笑」
綺麗な顔だとは思っていたけど、いつも無表情な印象。
でも、笑うとタレ目気味な目尻がもっと下がって、とても柔らかい笑顔。
ちょっと可愛いな……って思ったり。
いつものオフィスでは見た事がない表情が沢山ある。
美咲「あー！この人が噂の"ちゃか"さん！？」
宮近「え、………あ、はい。そうっすね、多分。」
あ、いつもの表情。
もしかして私と同じ人見知り……？
慣れない人の前だと表情が固くなってしまう癖。
何か似た所あるかも………なんて。
そんな事を思っていると、
中村「てか、何で二人知り合い？」
うみくんからの突然の疑問。
『言ってなかったけど、私も企画開発部でね？
同期だからデスクも近いんだよ』
中村「あー、なるほどね！
だからちゃかがAちゃんの事知ってたわけね」
『そう、うみくん達と同じで同僚なの笑』
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作者名：れおな | 作成日時：2020年12月10日 6時
