《4》 ページ5
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━━━ 宮近side ━━━
山田「よし、じゃあ今日はこれで終わり！
二人共また明日からよろしくね！」
ひらひらと手を振りながら自分のデスクに戻っていく山田主任。
兄貴の友だちで普段は涼介とか涼にぃとか呼んでるんだけど。
宮近「お疲れ様です、」
『お、お疲れさまです！』
壁に掛かった時計は終業時間を指す時刻。
残業すると言う人を横目に帰り支度を始めた。
初日に使った物といえば、教えてもらった事をメモする筆記具とかくらいなんだけど。
早々に纏め終わり、これから使う事になるデスクを整えた。
『え、……っと…、み、やちか…くん、』
宮近「……？」
突然、背後からたどたどしく呼ばれ振り返ると、同期入社の………
確かAさん。
『お、……お疲れさま！』
宮近「あ…お疲れ、」
そう頭を下げながら一言だけ告げて、彼女はオフィスを出て行った。
……そういえば、今日一日ずっと一緒に居たけど全然Aさんと喋ってない気がする。
話した事といえば、初めの挨拶とさっきの挨拶くらい。
まぁ初対面から話す事なんてあまり無いし。
第一、人と話す事、ましてや女の子と話すのはあまり得意ではない。
………さ、かーえろっと。
鞄を持ち、オフィスを後にした。
.
「…あー！ちゃか！」
会社の出入口で、聞き慣れた呼び名で呼ばれた。
顔を上げると見覚えのある二人の姿。
そこに近付き一言だけ、
おつかれ、と告げた。
松倉「おっつー」
先程、俺を呼び止めた松倉海斗と、
中村「ちゃかおつかれ〜」
手を振りながら白い歯を見せて笑う中村海人。
研修で仲良くなったこの二人。
偶然にも三人共名前が"かいと"。
仲良くなるきっかけには充分過ぎるくらいの理由だった。
お互い呼び名に少し迷ったけど、
松倉海斗はそのまま松倉。
中村海人は海人で落ち着いた。
中村「ねぇー、松倉と今から呑みに行こうってなったんだけど、ちゃかもどう？」
宮近「お、いーね！行く！」
二人の誘いに俺は二つ返事で了承した。
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作者名：れおな | 作成日時：2020年12月10日 6時
