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宮近「松倉、出掛ける準備して」
松倉「な、え!?今から!?」
宮近「当たり前だろ、
美咲さんの所、今から行こ」
幸い一緒の最寄り駅。
まだ20時過ぎなら行けるだろ。
松倉にスマホを借りて、
"宮近です、突然すみません。今家ですか?"
そして続けて、
"今から会えますか?"と送った。
"大丈夫です、家に居ます"という返信を確認して、
躊躇う松倉を外に連れて行った。
宮近「こっから近い?」
松倉「あ、うん、すぐ…」
松倉の後ろを数分歩くと、
松倉「ちょ、ちゃか!ちょっと待って!
一旦落ち着かせて!」
宮近「ここ?」
俺の問いに首を縦に振る。
松倉に借りたままのスマホで、
"外に居ます。出てきてもらえますか?"と送る。
少しするとエントランスのドアが開き、美咲さんが出てきた。
宮近「こんばんは」
松倉「よ、…よお」
いや、お前動揺し過ぎだろ。
宮近「突然こんな時間にごめんね」
美咲「いや、全然良いんだけど…どうしたの?」
宮近「こいつほんと馬鹿だから…
ちょっと話、聞いてあげてくれる?」
それだけ告げると、俺はその場を離れた。
松倉にがんばれ、とだけ小声で伝えて。
遠目から見える位置まで離れ様子を見る。
松倉が頭を下げる動作や、必死に伝えているのが見てわかる。
最後に肩を殴られてたけど笑
その後二人は徐々に近付き、
……あー、っと…これは見ちゃいけないやつだった。
美咲さんが部屋に戻っていくのを確認して、松倉は戻ってきた。
宮近「…おめでと、」
松倉「ありがと、ちゃか!お前のお陰!」
宮近「よし、戻るかー」
そのまま朝まで飲み明かし、ダラダラとした日曜日を過ごし19時頃松倉の家を出た。
帰りに家の近くのコンビニに寄って、
外に出ると見覚えのある二人の後ろ姿が目に入った。
そういえば、海人と出掛けてたんだっけ。
偶然見てしまった文面。何となく想像はついていた。
先日のラフな格好とはまた違って、少しお洒落をした感じ。
あちらが俺に気付く様子は無く、そのまま離れて歩く。
心做しか二人の距離が近くなったように感じた。
でも、まだ付き合ってる感じには見えなくて。
だけど確実に仲良くなってるのはわかった。
海人を応援してたはずなのに、何故か内心少し焦る気持ちがあって。
いや、そんな筈ない。
そうやって気付かないふりをした。
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作者名:れおな | 作成日時:2020年12月10日 6時