相棒【HQ！！×東京喰種】IV

第169話 ページ31

月島side


僕は大学でのバレーの練習を終えて、1人で帰宅していた途中だった


黒尾さんや研磨さんとも別れ、1人帰路についてぶらぶらと歩いていた


コンビニで夕飯に使うものを買っておいて、あと少しで家って時だった


耳鳴りがするほどの地響きと共に、得体の知れない巨大な物体が目の前に迫ってきた


その瞬間に、今までの色んなこととか、これから何したかったなとか、沢山頭の中に出てきて


あぁ、これが走馬灯かって分かるくらい周りがスローモーションに見えた


最後に脳裏にチラついたのは夜神だった


あの時、僕らを守ってくれたように。身を呈して庇ってくれたように、僕をもう一度救ってくれないかって


そう思ったのも束の間、次の瞬間に足に言葉にならない位の痛みが走った


何かに押しつぶされる感覚を感じながら、痛みと格闘していると、意識は遠のいて行った


しばらくすると、慌てふためく声が聞こえてきたので、僕は見つかったんだなって


死ななかったんだなって安堵した。足は痛いけど聞こえた声は夜神だったから嬉しくて名前を呼んだ


すぐに、意識は途切れたけど


散々寝たんだろうなって思い始めた頃にまた声が聞こえた


ごめん、ごめんな、しか言ってない、弱々しい声。それでも誰なのかはすぐ分かった


こんな弱々しいのは、自分の正体を僕らに暴露した日以来だなって思ったから



夜神｢…てか、俺ごめんしか言ってねぇな｣


｢………ホントだよ…何回謝れば気が済むの…｣



すぐに夜神は慌てて僕の容態を確認したけど、僕にはそれがバカらしくて笑えた


僕の声も弱々しいなぁなんて思いながら、密かに夜神に感謝した



｢ねぇ、僕、バレーできるの？｣


夜神｢傷が治れば問題ないって貴未さんが｣


｢良かった｣


夜神｢月島も相当、バレー馬鹿になったな｣


｢うるさいよ｣

第170話→←第168話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す