神様卅 ページ31
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「まだ戦意喪失しないのか。馬鹿は面倒臭くてしょうがないな」
「あーあ、最期に喋るのがこんな奴なんて最悪」
「何を言っている。遺言か？ならばこの玉壺様が伝えてやろう。そいつが死ぬ直前にだがな、ヒョヒョ！」
桑島は上弦に聞かれないよう、うつむいて小さく呟いた。
「本当は守ってほしかったんだよ、無一郎…」
『一人の…女の子として…』
その瞬間ぎゅんっ、と風を斬る音がして桑島がいっきに距離を詰めた。
上弦が壺から蛸の足を出すのと、自分が刀を振る感覚。全てが漫画のコマ送りのように一時一時止まって見えた。
こんな時でも助っ人は来ない。桑島は避ける事を選択肢から捨てざるを得なかった。
斬れる、相討ちだ。そう確信した。
ぐしゃり、と桑島の鮮血が飛び散った。赤く染まる隊服。血痰を吐いて、鉄の味が口内に広がる。
蛸の足先から赤く滴り落ちる自分の血を見て、意識が朦朧とする。
それでも力を籠めて、上弦に刺さった刀を横に引っ張る。
……嗚呼、お館様。私は今役に立てているのでしょうか。
煉獄さん、貴方のように立派に戦えているでしょうか。
無一郎……。ごめんね、最期まで守れなくて…。先に有一郎の方へ行くね。
こんなんじゃ、神様失格だけど……
許してね
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その時、鬼の目付きが三日月型になった。4つの口角が不気味に釣り上がる。
一瞬駄思考回路が途切れて、眼前が真っ白になった。
駄目…だった？
それでも何とかコイツは殺そうと、足を踏ん張り手に力を籠める。刺された腹から血がじわりと滲んだ。
手や足は寒いのに傷口は熱い。まるで冬場のような感覚だ。
激痛も徐々に治まっていく。感覚が喪われていってるのだ。
嗚呼、死ぬ…
そう思った。
体が後ろへと倒れる。桑島は天を仰ぎ、月に向かって力いっぱい手を伸ばす。闇空には満天の星が広がり互いに自身の煌めきを主張しあっていた。
最期に思い浮かぶのはやっぱり無一郎だった。ちゃんとご飯食べれるかな、とか。朝起きれるかな、とか。自分が居なくても出来ていた事を今さらながらに心配した。
それから…
泣いてくれるかな…とかも。
まぁ、彼にいたってそんな事はないのだろうけど、自分の死を気にしない彼を見るだけで目が霞み、涙が滲み零れた。
無一郎、
大好きだったよ
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パプタピ - ねむりねこさん» こちらこそコメントありがとうございます！今はテスト期間なので作るのは遅くなると思いますが、待っていて下さると幸いです！あと、別の端末から送ったため名前が違うんですけど、あんまり気にしないで下さい。 (2019年11月13日 19時) (
レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - 返信ありがとうございます！次回作、楽しみにしております！！！ (2019年11月13日 15時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ - ねむりねこさん» ご愛読ありがとうございましす！薄情でハクジョウって読むんですね、ご指摘感謝します。確かに薄情者！って言いますもんね…。もう本当、作者のポンコツぶりが、どんどん暴かれていく…(震)次回作品も応援お願いします！ (2019年11月13日 15時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - 鬼滅亡…………… (2019年11月13日 9時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています！一つ気になったのですが、薄情はハクジョウと読みます！水を差してしまってごめんなさい、応援してます！ (2019年11月13日 9時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パプタピ | 作成日時：2019年11月7日 18時
