神様拾肆 ページ15
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ガバっと掛け布団を取り、勢いをつけて起き上がった。大量の汗が全身から噴き出し、嫌な冷や汗が背中を伝う。息を切らしたように、呼吸を見出していた。
「大丈夫ですか?」
優しい掛け声も聞こえたが、それに構う余裕など無かった。上手く息が吸えず、桑島はパニックに陥る。過呼吸を起こしている事に気づいた男は、背中を擦る。
「深く深呼吸してください」
「はぁ、っはぁ…ふーー…はぁ、」
深呼吸を繰り返す。暫くして落ち着いた様子を見た男は、自分の寝ていた隣ベッドに腰掛けた。
辺りを見渡せば、飽きる事なく部屋を包む白。何脚も置かれたベッド。何度かお世話になった事のある蝶屋敷であることが分かった。
隣のベッドに座る赤みがかった髪をした少年は、柱合会議の時に見たことがある。無一郎が3つ石を投げつけた彼だ。
「ありがとうございます、竈門炭治郎君」
「大丈夫そうで良かったです。柱の人ですよね?」
「鳴柱の桑島Aです」
な、なり…?、と困惑していた炭治郎に善逸と同じ雷の呼吸であることを説明すると、納得したのか手で皿を作りその上に拳を下ろした。
暫く二人で話に夢中になっていると、背後にある扉が開く音がした。続けざま固いものが割れる音も。驚いて振り返ると、鼻水と涙で顔をぐしゃぐしゃにした善逸がつっ立っていた。足下には粉々に砕けた白い皿と菓子。
炭治郎が、善逸!菓子が勿体無いだろう、と親のように叱る。
しかし善逸は無視。全集中常中を使っているからなのか、息する間もなく善逸は飛び付いた。
「A〜!!起きたのぉ!?ねぇ、いつ起きたの!?起きたなら言ってよ!!俺心配過ぎて不安だったんだよぉぉ〜!!」
「善逸!初対面の人に失礼だろ!」
「いや、俺の育てだったじいちゃんの孫だから知り合いなんだよ…」
炭治郎は心底驚いたように口をあんぐりと開けた。
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パプタピ - ねむりねこさん» こちらこそコメントありがとうございます!今はテスト期間なので作るのは遅くなると思いますが、待っていて下さると幸いです!あと、別の端末から送ったため名前が違うんですけど、あんまり気にしないで下さい。 (2019年11月13日 19時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - 返信ありがとうございます!次回作、楽しみにしております!!! (2019年11月13日 15時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ - ねむりねこさん» ご愛読ありがとうございましす!薄情でハクジョウって読むんですね、ご指摘感謝します。確かに薄情者!って言いますもんね…。もう本当、作者のポンコツぶりが、どんどん暴かれていく…(震)次回作品も応援お願いします! (2019年11月13日 15時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - 鬼滅亡…………… (2019年11月13日 9時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています!一つ気になったのですが、薄情はハクジョウと読みます!水を差してしまってごめんなさい、応援してます! (2019年11月13日 9時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パプタピ | 作成日時:2019年11月7日 18時