身代わり大尉の帝国奮闘記【wrwrd】【d!】 (ページ4)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:347 hit

3 ページ4

相手国の土地柄を連想させる白のキャビンに金で描かれている王国の紋章。馬を操る御者の服装からもノースリット王国であると分からせた。

馬車は門を通り城の入口、俺達の前に止まると目の下が真っ赤な従者が出てきた。誰が見ても先程まで号泣していたのだろうと推測させる面立ちだ。

「…ノースリット王国、セナ・ノースリット第1王女が到着致しました。お出迎え感謝致します」

os「遼遠よりお越しいただきありがとうございました。大臣は大会議室にいらっしゃいます。王女はそこの者が部屋まで案内しますので、貴殿は大臣と合流後自国にお帰りになってください」

従者は自分の無力具合を改めて感じたのだろう。苦虫を噛み締めた顔を必死に地面に向けてか細い声で返事をした。

os「コネシマ、王女を馬車から降ろしてやってや」

kn「ん、分かった」

手を貸そうとしたコネシマが一瞬目を見開いた。何かに驚いた様子だ。
が、気を取り直して王女の手を引いた。白のドレスに長髪、写真で見た通りの容姿をした女だった。従者とは打って変わって凛とした立ち姿で印象的だった。

os「オスマン、言われてた部屋に連れてけばええよな？」

os「うん、合ってるよ。丁重に頼むな」

当たり前やろ、と笑ったコネシマと王女は城内に消えていった。

────────

帝国の内装を眺めながら歩くと自国とは文化も風習も全く異なっているな、と感じた。

王国では煌びやかなシャンデリア、今までの軌跡を1つ1つ描いた肖像画、それに存在感を大きく示す石柱。
対してここは肖像画も無ければ目を引く調度品もない。

唯一あるのは帝国の印を強く存在つけさせるタペストリー程度だ。それがレッドカーペットと相まって廊下で自分と幹部1人しか居ないはずなのに緊張感を漂っている。

この城には王国のどこを取っても当てはまらない。
分かっていたつもりだったがここまで違うとは…。まるで考えが真逆な人間達を見ている気分だ。