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pe「うんうん、そこまでで大丈夫だよ、ありがとね。セナちゃんここ1週間の生活でどこか体が痛くなったり、気分が悪くなったりしてない？」
「はい、特には」
pe「そっか〜、それならよかったや。……自覚症状はなしか」
しんぺい神さんの面布がひらひらと揺れていたから何か言ったかなと思ったが小声で呟いた音はと聞こえなかった。それに彼はじっと私の顔を見ている気がして、なんだろう、と首を傾げた。
pe「ねえ、セナちゃん。君、ここに来て毎日何時間くらい睡眠をとってるの？隈できてるよ」
するり、と頬に沿ってきた他意を感じさせない手は暖かくて少しカサついていた。随分と優しい手だ。ああ、こうやって触れられたのは何時ぶりだろうか。性別は違えど大好きで、尊敬していた母を思いだしてしまう。
───いい？A。心を強く持って生きなさい。周りの声に負けてはいけないよ。
「か、あさん」
pe「…セナちゃん？どうしたの？」
はっ、と意識が戻る。かぶりをふる。違う、彼は母ではない。彼の手を母に見立ててしまい意識がそっちに向いて忘れかけていたが、ここは帝国の中核。少しも気を抜いてはいけない。
「…いえ、なんでもないです。1日の平均睡眠時間、でしたよね。今は大体3〜4時間程度ですね。」
pe「、そうなんだ。その時間はいつも通り？それとも上下してる感じかな？」
何事もなかったように話し始めた私に対して思うところはあったはずなのに、目の前の彼はどこからか取り出したカルテにスラスラと書き込んでいっている。
「ここに来てから少し減ってしまって。…眠れなくても目を瞑ってみたり、体をほぐしてから就寝してみるなど試してみたのですが効果はなかったようで」
書き込んでいた手をぴたり、と止めた。
面布の隙間から見えた浅葱色はぱちり、と1つ瞬きをすると憐憫の眼差しを向けた。
pe「客観的に見て環境の変化が1番大きく関係してそうだね。そのままじゃ辛いでしょ、睡眠導入剤だしておこうか？」
「…すみません、よろしくお願いします」
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作者名：Leo | 作成日時：2022年12月7日 11時
