2 ページ11
「…やっぱり難しいよなあ」
今度メイドに図書館で本を借りてきてもらおうか。
身の回りの世話を断った手前、そんなこと頼むのは少し気が引けるが…なんとかなるだろう。
さて、気を取り直してまた体を鍛え始めるとしよう。王国に相棒は置いてきてしまったが、帰国しても相棒に乗れるように体を鈍らせないようにしないとな。セナともう一度くらい乗っておきたい。
「…99、ｯ…100」
目標数を達成するとドサッとそのまま床に寝転んだ。
7日間も寝泊まりしていれば、この天井の模様もすっかりと見慣れてしまった。オーバーワーク気味だったのか床に倒れて天井を眺めていると少しずつ視界が狭まっていく。
ねむ、と声に出してやっと自分が睡魔に負けかけていると気づいた時にはAは目を閉じて意識が飛んでいた。
――
はっ、と目を覚ました時には視界は自室の天井でなかった。薬品特有の匂いが鼻をかすめる。
(───医務室か？)
起き上がってみると自分が寝ているベッドの周りは純白で清潔感のカーテンで仕切られていた。頭が追いつかず周りを見渡していると自分の服が部屋にいた時とは違う病院服になっていることに気づいた。
怪我していないのになぜ検査着…？
病院服によってより困惑しているとカーテンがシャッと開かれて、目の前には黒ベースの面布を付けた人間が立っていた。
(…不審者か？)
しかしよく見てみると不審者にしては白衣は着ているしバインダーを持っているから多分違う。医者だろう、と推理できても何故面布を付けてるんだ？「神」って書いてあるし。とまた困惑した。
pe「起きたみたいだね。よく寝れた？」
ここ座るね、と白衣の男はベッドの縁に座った。
「はい。あ、あの…何故私は医務室に？」
pe「ん〜、体調壊してないかちょっと心配になってね。それで部屋見に行ったら床で寝てたから連れてきちゃった」
あ、自己紹介してなかったよね。僕の名前はしんぺい神で〜す。軍医でよく医務室にいるから体調悪くなったら何時でも来てね、と緩い自己紹介をされた。
「セナ・ノースリットです。ノースリット王国の第1王女で、」
はい、そこまで。としんぺい神さんの手がストップをかけた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Leo | 作成日時：2022年12月7日 11時
