【ダイヤのA】ああ！あのトキメキをもう一度【御幸一也】

62回裏 ページ26

「ストライク！」


ドサリ、バッターボックスで盛大に尻もちを着いた一年を横目に丹波さんに返球する


「どうしたルーキー、尻もち着いてたらバットは振れないよー」


うん、今日の丹波さん最高にキレのあるいいカーブ投げる
一年が戦慄するのも分かる、中学じゃ中々いないでしょ、こんないい球投げる投手


エース降格になった事でより一層気迫が増したな
次もキレのあるいい球頼みますよ
そんな気持ちを込めて同じサインを送ると丹波さんは頷いた



「ストライク！バッターアウト！」

「しゃあ！！」

「ナイスピー、丹波さん！いい球来てるよ！」


早速三者連続三振を取って吠えるその姿に拳を突き出すとそれに応えてくれる
投手の調子がいいとリードしがいがあるねぇ



一年の守備、先発は松方シニアでの後輩である東条
それを見て先輩達は怪訝そうな顔をした


「なんだよ、降谷じゃねぇのかよ」

「すぐに引きずり出してやる」


あんな大口叩かれたんだ、そりゃ引っ張り出して叩いとかないと気が済まないよねぇ
分かるけどなんでこのチーム見た目も気迫もヤクザみたいなのばっかなの？やっぱり監督があれだから？
どう考えても堅気じゃないもんね

1年ベンチにいる降谷を睨み付ける先輩達に一応可愛い後輩のフォローを入れておく




「いやまぁ東条もいい投手だよ？」

「そういや松方シニアって成宮がいた所だったな」

「うん、ただまぁ、私がいた頃と違ってベスト4止まり、今日の対戦相手は目の肥えた青道の上級生ってなると私的には東条の心が折れないか心配である」

「流石の鬼にも後輩を可愛いと思う心はあるんだな」

「成宮って意外と後輩好きだよな、面倒見良いし」

「あー、分かるわ、でも妹っぽい所もあるしどっちなんだよ」

「可愛い子は愛でろが私の座右の銘なんすよ、あと今鬼っつったやつ、試合後に走らせるよ」

「やっぱ鬼じゃねーか！」

「後なんだその座右の銘！」

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