51回表 ページ3
「成宮先輩！」
去年まで青道では呼ばれなかったその呼び方に、少し肩を揺らす
振り返るとそこにはシニア時代に可愛がっていた後輩二人が嬉しそうにこちらに向かって走ってきていた
「金丸、東条！」
「先輩！久しぶりっす！」
「まさか青道の野球部で出会えるだなんて」
「ほんとになー！お前ら青道に入ったのかー」
金丸信二と東条秀明は先程も言った通り松方シニアで大変可愛がっていた後輩二人だ
東条に至っては投手という事もあり何回かバッテリーを組んだ事もある
二人は久しぶりに私に会えたのがそんなに嬉しいのか休憩そっちのけで私の世代が抜けた後の話をしてくる
「ははは、喜んでくれてるのは分かったから、二人ともマネからドリンク貰っといで、練習はまだ続くよ」
「あ、あの」
「ん？」
「後でまた先輩と話せますか？」
おずおずといった様子で聞いてくる東条にくすりと笑う
ほんと、可愛い後輩だな
「練習後はいつも部員の自主練に付き合うか食堂で情報整理するから、ちゃんと練習頑張ったら話聞いてやるよ」
「「はい！」」
いい返事をしてマネージャーにドリンクを貰いに行く後ろ姿を眺めてまた笑みを零す
するとドスッと背中にいつもの重量感が
「なーに嬉しそうに他の男の背中見つめてんのー」
「可愛い後輩を愛でてたんだよ」
「こっちには可愛い一也くんがいますけど？」
「他の女にうつつを抜かす奴は可愛くないかな」
「うっ、ごめんってば」
「反省してるならよろしい」
説教が堪えたのか少ししゅんとした表情を見せる一也の頭を帽子越しにポンポンと撫でてやる
「ところで、倉持と同室の一年があの東さんと勝負した子って本当？」
「さっすがAちゃん、耳にするのが早い」
「まーね、面白いムービングって聞いてたからちょっと受けてみたいんだけど」
私がそう言うと一也は「あー…」と私から目を逸らして何故か言い淀む
「あいつねー、今朝の事で監督に謝ってねーからそのままずっと走らされてんの」
「え、じゃあもしかして」
「そー、あそこでずっと走ってんのがそいつ」
「まじかよ」
なんかずっと走ってる子が居るな、と思ったら彼が噂の一年かよ…と口をひくつかせる
これは当分受けられそうにないなー、なんて考えながら高島先生から貰っていた一年生の情報を見るのにタブレットの電源を入れた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とらお(プロフ) - ジョゼフィーヌさん» この度はコメントありがとうございます！ダイヤ、残り2話…衝撃でした…。でもまだactIIIを信じてます！！でもそのおかげで出会ってくれたのは感謝しかないですね、凄く褒めていただけて光栄です！自己満作品ではありますが、これからもよろしくお願いします！ (2022年10月13日 18時) (
レス) id: 9196c41cf9 (このIDを非表示/違反報告)
ジョゼフィーヌ(プロフ) - ダイヤのA最終回まで残り2話と聞いて何か面白い夢小説ないかなって思って探してたら、この作品に出会えて、凄く読み応えがあるし、続きも気になります！無理しない程度に更新頑張って下さい！楽しみに続きまってます！ (2022年10月12日 16時) (レス) @page27 id: 8e4a678c0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とらお | 作成日時：2022年9月25日 14時
