47回裏 ページ46
練習後半も終わり、各自でストレッチをしている時だった
五人くらいのチームメンバーが私の元へ訪れた
「ねぇ、成宮さん」
「(お、これ前に似たやつ学校であったな、女子はホント群れんの好きだね)…なんすか？」
私が開脚前屈しながら肘で体を支えて顔だけ上げる
するとそれぞれお互いの顔を見合わせて頷いた途端こちらに顔をずいっと寄せてきた、近いな
「成宮さんって、あの成宮鳴くんの親戚って本当！？」
「え」
「それに青道ってあのイケ捕で話題の御幸一也くんもいるんでしょ！」
「え、えぇ、鳴は従兄妹だし、一也はチームメイトで同じクラスですけど」
「「「羨ましいーーー！！」」」
「えぇ！？」
彼女たちが騒いでいると中本さんと三河さんが寄ってきて何故か輪に入ってくる
「彼女たちも女子校だから、共学でしかも男子野球部に所属してる貴女が珍しいのよ、恋バナしなさい！私大好物よ！」
「ま、まぁ興味無いと言えば嘘になるかしら」
「止めに来たんじゃねーのかよ、なんで乗り気なんだよ」
「だまらっしゃい！恋バナは乙女の嗜みよ！」
「別に共学だからって野球バカの集まりだからそんな浮ついた事滅多にないっすよ、たまーに先輩に彼女が出来たとかそんな話は聞きますけど」
「な、成宮鳴くんは！？彼女いるの！？」
「まー、あの顔で甲子園にも出たんで最近チヤホヤされてるみたいっすけど、中身がお子ちゃまなんで、彼女は聞いてないっすね」
「成宮さん、よく似てるって言われない？」
「生まれてこの方言われない事の方が珍しいですよ、並んだらマジで双子ですよ」
そう言いながら近くに置いてあった鞄を手繰り寄せ携帯を取り出して写真フォルダを漁る
鳴とのツーショットをタップして見せると歓声が上がった
「やっぱ可愛い〜！私甲子園見て成宮くんのファンになったんだよね！」
「あいつほどいい球投げる投手とはまだ出会ったことないっすね」
「やっぱり投手と捕手だから球受けたりするんだ！」
「いいなぁ〜こんな親戚欲しかった〜」
「部屋には勝手に入ってくるし球受けろってうるさいし一也には敵対心剥き出しだし喧しいっすよ」
「なにそれ自慢？」
鳴の写真を何枚か見せていると、暫くして一也との写真も出てきたので同じように見せる
「はぁ〜やっぱかっこい〜、普段は眼鏡なんだ！」
「練習や試合中はコンタクトでスポサンっすね、よく女子に言い寄られてますよ」
「やっぱモテるよね！？私も御幸くんと付き合いた〜い」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とらお | 作成日時：2022年9月14日 23時
