…… ページ4
＊＊
30分後､いつもの公園に集合だ
俺はダッシュでコンビニに行き唐揚げ君と飲み物とスナック菓子を買い込んだ
そわそわした気分で公園に着くと先客が2組もいた
親子連れと大学生くらいのカップルが桜の下で仲良さそうに花見している
狭い公園はそれだけで満員に思えた
どうしようかと考えていたら､「わっ」という声と同時にひかるが背後から飛び出した
「いつもは誰もいないのに､今日は人が多いね……
そうだっ、ねぇ､やぶ、久しぶりに石段のほこらまで行かない？
あそこの桜を見に行こうよ」
「おっ、イイねぇ、行こう行こう」
早速ふたりで町外れまで行くことにした
そのほこらは小高い岩山の中腹にあってそこにたどり着くには
急勾配の石段をのぼらなきゃいけない
石段は何百段もあって結構きついから滅多に行かないんだけど
久しぶりにひかるとバカ話しながらのぼってみたら足はガクガクしてくるし
やっぱきついんだけど､ひかると一緒ってだけで意外と頑張れる
て言うか､なんかこの時間が楽しい
はぁはぁ言いながら石段をのぼり切ると
一本の桜の樹が小さなほこらを見守るように花を咲かせていた
桜は思ってたよりデカくて立派で公園のよりずっと綺麗に見えた
「来てよかったね」
満開の桜を背にひかるは目をキラキラさせて言った
俺はこころの中でガッツポーズだ
昔から俺はひかるのこの顔を見るとたちまち気分が良くなって
なぜだかウキウキしてしまう
「ひかる､喉渇いてない？」
俺が自慢げにレジ袋の中身を見せるとひかるは「さすがやぶっ」と笑った
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：べす | 作成日時：2022年7月12日 20時
