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『Kiss Diary』おまけ
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「じゃ、行ってくる」
「うん……」
「ひかる、いってらっしゃいのキスは？」
「なっ､なに言って…、もう遅刻するから早く行けッ」
「ヘイヘイ」
ひかるは林檎みたいに真っ赤になって怒ったフリをしている
ゆうべはあんな気持ちよさそうな顔でとろけていたくせに…
あんなこともこんなこともさせてくれたくせに…
キスくらいで赤くなっちゃって、なんなんだこのギャップ
あ〜もう､そういうとこがいちいち可愛いんだよな
俺はひかるの頭をポンポンして玄関のドアを開けた
「いってらっしゃい…」
ドアが閉まる間際､ひかるの小さな声が聞こえた
あ〜､やっぱ超可愛い
俺はニヤニヤ全開だ
休日出勤からの朝帰り-と言うか恋人宅からご出勤ーーなんて
かなりハードなはずなのに今朝は最高に気分がいい
「一緒に暮らさないか？」
ゆうべ､俺はやっとその言葉を言えた
ホントは花火大会に連れ出してそこでって考えていたけれど
急に仕事が入って俺のサプライズはおじゃんになった
代わりにしては相当ショボいけど必死に探した花火セットを鞄に忍ばせ
俺はひかるに会いに行ったんだ
打ち上げ花火じゃなくてもいい
ただ俺はどうしても花火の放つ明かりの中でこの想いを伝えたかった
だって､俺たちにとって花火ってすげ〜意味があることだからさ
俺は緊張しながらその言葉を伝えた
するとひかるは線香花火を持ったまま黙り込んでしまった
沈黙がすごく長く感じられて
やっぱダメなのかってどんどん不安になって
そんなところにひかるのあの熱っいkiss……、
正直､あれには驚いた
もうたまんなかったね
ひかるの想いが伝わってくるようなとにかくグッとくるkissだった
ひかるの行動に初めはタジタジしちゃった俺だけど
身体はすげぇ正直でさ､すぐさまグイッと反応しちゃって
危うくその場でひかるを押し倒すところだったよ
わずかな理性で何とか踏みとどまったけど
俺は速攻､ひかるの手を引いて部屋に戻った
んで、そのあとやる事つったらもう決まってるだろ？
ひかるの気持ちを知れたうれしさとか
さっきのkissの余韻とか
ここんとこ会えなくて溜まりに溜まってた俺的事情とか
全部がぐちゃっと合わさって俺、おおいに爆発した
特大花火何発も打ち上げた
そのせいか気分は最高にいいけど腰がめちゃくちゃ重たい
今夜はきっと爆睡だなと思いながら満員電車に乗り込む俺だった
＊＊ Fin ＊＊ 22-09-23
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作者名：べす | 作成日時：2022年7月12日 20時
