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へへ、笑っちゃうよな
おれ､やぶに会えなくてへこんでるのか？
淋しがってるのか？
だとしたら､おれって相当重いな…､
ダメだダメだ
こんな夜はさっさと寝てしまおう
気持ちを無理矢理立て直し
ちっとも減らなかった冷やしおでんに蓋しようとした時だった
突然､やぶがウチにやって来た
** **
「参ったよ、今どき休日出勤だなんて」
やぶはネクタイを緩めながらうんざりした声で言った
背中に疲れがたまっているように見える
だけどやぶは目ざとい
テーブルの上のおでんを見つけると急に期待に満ちた表情になった
「美味そう〜、もしかして俺の分あったりする？」
“何言ってんだ、おまえに食わせたくて作ったんだぞ“
こころの中では即答したけど､重たく思われるのも嫌で
「あるよ」とだけ答えて取り皿と缶ビールを手渡した
やぶはうまい､うまいと言いながらおれの作った冷やしおでんを平らげた
ちょっとやぶが元気になったようでうれしい
食べ終わるとやぶはカバンから小さな花火セットを取り出しおれに差し出した
「これ見つけたんだ､今からやろうぜ」
「こんな懐かしいやつよく見つけたな､でも普通買うか？」
呆れながら受け取るとやぶはおれの言葉が終わらぬうちから
おれの手を引っ張って外へ出ようとする
「ちょっと待て、落ち着けッ」
「いいから､いいから」
何がいいのか悪いのか､意味わかんないけれど
やぶは昔からこんな子どもみたいな一面があるんだよな
＊
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作者名：べす | 作成日時：2022年7月12日 20時
