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□ 恋の瞬間 点滅の青信号 □ ページ11

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□□ 大学生yb x hk □□


**hk

秋の学祭に向けて練習を重ねている軽音サークル

メンバーがぼちぼち揃いはじめた頃誰かが花火大会のチラシをひろげた
「あっ、今夜あるんだ」
「毎年盛大らしいよ」
「わぁ、見たいな」
「行こうよ」

花火は夏の風物詩、みんな大好きだ
非日常であり、一夜限りであり、おまけに周りは暗い
恋愛に重きを置きがちな若者にとってはまたとないシチュエーションだ
何かが始まりそうな予感にみんなワクワクするのか
話が勝手に盛り上がり練習どころじゃない雰囲気になった


「じゃぁ、少し早めに切り上げてみんなで行くか
その代わり気合い入れて練習だ」

リーダーのやぶがよく通る声で言うとメンバーたちから歓声が上がった
こういう時やっぱりやぶはリーダーがピッタリだなって思う
色んなことを上手にまとめてくれるみんなの人気者だ

毎年恒例のこの花火大会は規模が大きくてすごく賑わうらしい
おれは初めてだけどみんなで観るの楽しみだな


数時間後、やぶの宣言通りおれたちは早めに練習を切り上げた
片付けを終え幹線道路沿いを駅に向かってぞろぞろ歩いていく

花火大会の会場は大学の最寄り駅から電車で20分ほどの港湾で
さっき調べたら7分後に来る電車に乗れたら開始時間に間に合うっぽい

駅前の信号はいま青だ
これで渡れたら多分その電車に乗れる

よしよしと思いながらおれは横断歩道に一歩目を踏み出した
するとまるでタイミングを計ったように信号が点滅しだした

あーあ、残念、
あとちょっとだったのに……


後ろにいるみんなはすでに足を止めている
そもそも電車の発車時刻なんて気にしていないみたいだ

しょうがない、みんなに合わせよう

そう思ったときだった


「行けるって」


突然、やぶの声がした
と思ったらやぶがおれの手首をぎゅっと掴んだ



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作者名:べす | 作成日時:2022年7月12日 20時

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