今はまだ叶わぬ恋 2【佐野玲於】

ごめんって ページ6

玲於side




夜中まで続く長丁場の撮影の休憩にスマホを見たら、最近全然会ってなかったAからLINEが来た。




［明日、会えない？］


［玲於くんの都合の良い時でいいよ］





Aにしては、急に誘うなんて珍しい。なんの用件か分からないけど、明日は夕方から優香さんと出かける誘いがあったから空いてない。




Aには申し訳ないけど、今回は許して。



今日は夜中まで撮影なんてないけど、あいつを傷つけないためにはこうするしかなかった。






［ごめん。］



［わりいけど、撮影夜中まであるから会えない。］







そんな嘘考えてたら、いつの間にか寝落ちしていた。幸いソファじゃなくてベッドの上だったから身体は痛くない。




LINEを開くとまだ送ってないままの文章を打ってる途中だった。




［ごめん。LINE全然見てなかった。］




と文章付け足す。LINE全然見てなかったって全くの嘘だけど、そう言うしかない。





一昨日、撮影終わりに優香さんに会議室に呼ばれて、呼び出し食らって焦ってたけど、全然そんなのじゃなくて。





優香「明後日の夕方から、空いてない？」





そんな誘いが来た。いつもは俺がずっと誘ってきたのに、優香さんから来た時信じられなくて、嬉しいっていうより緊張してた。




玲於「空いてますよ。でも、なんで俺なんか...」




そう言いかけた時、俺の言葉を遮るように




優香「この前、みんなで夜ご飯行った時玲於くん、
誘ってくれたから、せっかくなら〜って思って。」






誘ったっけ、俺。そんな事も覚えてない。
でも優香さんと会えるなら、こっちにとっては好都合。




玲於「いいんすか？」




優香「もちろんよ。私も嬉しいなぁ。玲於くんと2人で会うのって久しぶりだし。」




玲於「じゃあ、お店の手配は俺がやります...」




こういうところで男見せないと。ってちょっと背伸びしたくなった。



いつもは最年少だからメンさんやら亜嵐くんやらに奢ってもらってた。年収序列ってやつで。笑





優香「なんか、ごめんね。お願いしてもいいかな？」




玲於「はい。岩さんから教えてもらった美味しいとこ知ってるんで」





岩さんに以前、女連れてくるならここが1番いいよって教えてもらった。その時はすきな人とか女に興味なんてなかったけど、

ついにこのお店に行く日が来るんだ。なんか自分でも信じられないような。




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