好物頂上決戦【月島 蛍】

進化と不安。 ページ22

.







「着いた〜〜！！」

「ちょっとキミまた僕の肩使って寝てただろ！肩すっごく痛いんですケド！？」

「諦めなよ。もうそういう運命(さだめ)ってことで」

「そんな運命あってたまるか」








合宿初日。私達は埼玉県の森然高校に来ていた。

周りには木々が多く、中心部より少し離れたところにあるため少し涼しいらしい。

だから、夏合宿の時は決まって森然高校なのだとか。




ちなみに今回もスガさんの陰謀が働いて私はまた月島の隣だった。

いい加減学習しろよ自分〜〜＾＾


そして無意識に寝てる時にまた月島の肩を借りてたみたいでカリカリしてる。

仕方ないじゃん。不可抗力だって前から言ってるのに。ケチ島め。



私は軽く舌打ちして歩き出した。







.






.





初戦は梟谷だった。


なんか梟谷と当たること多いなあ。と思いながら試合を眺める。






影山と日向の速攻は、タイミングが合わず失敗。

それでも、左手で処理して何とか決める日向。







「(空中で慌てる日向は、もういない)」



日向の成長が、嬉しかった。

側で見てきた仁花ちゃんも、どこか嬉しそうだった。







そして、旭さんのジャンプサーブは、アウト。


シンクロ攻撃も、失敗。


ノヤ先輩のオーバーハンドトスも、飛びすぎて失敗。






結局、12-25という大差で負けた。






だけど、潔子さんや仁花ちゃんは、安心した様子だった。



"新たな戦い方を見つけたのだ"と。


"烏野は、もっと強くなれるのだ"と。






そう言っているように感じた。






私も思った。


これからみんなは強くなる、と。









ただ、1人を除いて。









「今回のペナルティは、『森然限定！爽やか！裏山新緑坂道ダッシュ』だそうだ」





よーい…GO！！という大地さんの掛け声と共に、森然の体育館裏にある坂道をダッシュするみんな。


距離はそこまでないように感じるけど、傾斜がとにかくキツい。


照りつける日差し。

短距離とはいえ、試合後のコレはキツい。







「大地さん、旭さん！！お疲れ様です、タオルとドリンクどうぞ！」

「ありがとう…」

「サンキュー」

「あ、月島！そんな急に座っちゃダメだよ！」

「うっさ…今、話しかけないで…」







体力のない月島は体育館前のコンクリートに座り込む。熱くないのかな…






そこで、ある考えが浮かぶ。

いくら森然でも、暑いものは暑いしね。




私は猫又監督のもとへ足を運んだ。

打ち水にご注意。→←寂しさと帰り道。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す