好物頂上決戦【月島 蛍】

信じないなら強硬手段。 ページ48

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「あ、月島…えと、お疲れ様！」

「…うん、」

「…その、おめでウワッ！？」






トイレから出てきた月島に声をかけると、

突然無言で抱きしめられる。



前方からかなりの力で押されて、後ろの壁にぶつかってしまった。





「つ、月島、」

「…ごめん、お前の顔見たらなんか安心した」

「…ありがとう、本当にヒーローになってくれて」

「恥ずかしいからやめろ」






互いに笑って、私は月島の背に腕を回した。


今なら、今なら言える気がする。







「月島、私ね、月島が憎いよ」

「…なに急に」

「憎かったよ。ショートケーキ食べれなくたっていいじゃん、って何度思ったか。

でも、好きになっちゃった。意地悪なのに、たまに優しいところとか…

振られるって分かってるけど、好きなんだ」






下を向いて唇を噛む。

月島の身体が離れていって、やっぱり引かれたかな…と思った時、


突然両手首を掴まれて、壁に押しつけられた。


咄嗟のことに思わず顔をあげれば、意地悪く微笑む月島と目が合った。






「知ってる」

「…え、」

「僕そんな鈍感じゃないし。お守りもらった時点でそうかなって思ってた」





僕だけに作ったんだもんね、ってポケットからお守りを出して笑った。






「ずっと持っててくれたの…？」

「うん」

「…どうして、」

「…そんなの決まってるじゃん。









(人1)のこと好きだから、僕」






聞き間違いではないだろうか。

固まる私に月島は更に続ける。






「(人1)のせいだからね。勝手に僕の心にズケズケと入ってきて…憎いのに、鬱陶しいだけだったのに。

いつの間にか、(人1)が側にいないと居心地悪くなったし、

赤葦さんと仲良くする(人1)見てたら凄いイライラするようになったじゃん。

本当、こんなんになった責任取りなよね、バーカ」





その言葉に涙をこぼす私に月島は一瞬驚いて、

頬を伝う涙を拭ってくれた。






「嘘だあ…」

「本当ですけど？まあ可愛いとかいうよりかは独占欲に近い感じだけど」

「…本当に好きなの…？」

「…まだ信じないの？なら強硬手段だね」







また意地悪く笑ったと思うと、

私の顎を掴んで、そのまま唇に噛み付いた。







「ん、っ！？」

「っ…は、信じた？」

「う、ん…」






月島は満足そうに笑って、

また舌同士が絡まる。








「(…ずっと、こうしていたい)」









私はそんな事を頭の隅で考えて、


触れ合う唇の甘さに酔いしれた。

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