至福のひと時。 ページ35
.
「うわぁ…美味しそう…♡」
「せやな…」
「なあ、食べ放題やし全種類食べれるよな?」
「俺らならイケると思うで」
30分ほど歩いた場所にあるそのお店は、もうほぼ満席だった。
店内には、女の子同士でケーキを分け合ったり、
中には男女のカップルもいた。
私達は荷物を置いて早々に、皿を持ってデザートを物色していた。
治も目を輝かせている。
けどやっぱり女の子が多い店内で、治のような端正な顔立ちの男は目立つらしい。
『あの人めっちゃイケメンやんな…』って周りの女の子達は目をハートにしていた。
「(…やっぱ治ってイケメンなんやなぁ。ほんで、そんな奴と喧嘩繰り広げたりデート(?)してる自分がすごいと思うわ…)」
「(人1)、最後の1つ取るならどれがええと思う?これ美味そうやと思わん?」
「え、こっちやろ」
「ハァ〜?分かっとらんなぁ〜」
「苺好きなめんなや!あと文句言うなら聞かんで」
周りから、『え、あの子彼女かなぁ…』とヒソヒソと話す声が聞こえる。
すみませんね。彼女やありません。
顔のレベルが釣り合わないって言いたいんだろ…知ってる。
結局、迷うんやったらまた取りにこればええやん。という私の言葉に納得し、
私達はテーブルにギリギリのる量のデザートを死守。
周りの人めっちゃドン引きしてたけど気にしてないんだからね!
「これうまッ!」
「こっちも美味いで」
「はぁ、至福のひと時や…」
「せやなぁ」
治が新しいケーキに手を伸ばす。
…あ、それ。
「私もさっき取ろうと思ったんに、なかったやつ…」
「ラス1やったんや。ラッキー」
「うわムカつく…足踏んでやろ」
「嫌がらせ地味すぎやろ」
しゃーないなあ、と治は食べていた皿をこちらに寄せる。
「一口だけやで」
「やった〜ありが、」
「あーんで、やけどな」
What?
あーんという言葉に固まって目を泳がせる私を見て、治はSの血が騒ぐのか、ニヤニヤと笑う。
そして、フォークを私に差し出す。
「あーん、って、」
「口開ければええだけや」
「違くて、その、フォーク…」
「ブフッ、お前ホンマウブやなぁ。間接キス気にしとるん?」
そうだけど何か?
私は小さく、『うん』と呟く。
治はニヤニヤするのをやめずに、耳元まで近づき、囁く。
「…この前は、もっと凄いことしようとしたやん?」
726人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
亀さん - 完結おめでとうございます!治最高…………次回作も読ませていただきます! (2020年4月2日 10時) (レス) id: 99a2eebfea (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - やまうみ。さん» コメントありがとうございます!初期からのファン…!嬉しいです、私の作品読んでくださってありがとうございます(^ ^) なるほど…おじいさまの名言、必ずやどこかで使わせていただきます!もう少しで完成するので待っててくださいね〜(^ν^) (2020年3月31日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - しぃらさん» コメントありがとうございます!ドSの治による荒治療はいかかでしたか?(^ ^) それはまずい!もう一度宮治の荒治療を受けることをお勧めします(無限ループ)← 死なないで〜…次回作もぜひ読んでくださいね! (2020年3月31日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - ルナ・エイヴェルさん» コメントありがとうございます!過呼吸ぎみですけど大丈夫ですかッ(*_*) 結婚します(真顔)← ぜひぜひひっそりとニヤニヤ、キュンキュンしながら読んでください〜(^^) (2020年3月31日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 狐さん» コメントありがとうございます!いえいえ!そう言ってもらえるだけで明日を生きる活力になるので大丈夫です← ぜひぜひ、次回作もよろしくお願いします〜(^^) (2020年3月31日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はるか | 作成日時:2020年3月22日 23時