欲張って何が悪い ページ6
.
「へぇ、レモンのはちみつ漬けだったんだ」
『そう！疲労回復にいいからいつも家帰ってから摂取してるんだ。長期合宿の時は家帰れないしどうしようかなーって思ってたら男バレのマネちゃんずに材料貰ってさ。
昨日の朝、走り終わってから朝食までまだ全然時間あったし邪魔にならない程度にスペースちょっと借りて作ってたんだ。柳井家に代々伝わる秘伝のレモンのはちみつ漬けです』
「いいなあ、夜久。俺も食べたいかも」
『じゃあ今度作って持ってくるね』
「…いやいや、ほのぼのした話してるとこ悪いけど、お前らのいざこざの論点そこじゃねーだろ」
夜っくんのところから帰ってきて、黒尾と海くんにOKサインを見せてからみっちゃんを引っ張ってきてお昼ご飯を食べる。
…ちゃんとお昼も、渡したものも食べてるかな、と思っていると、向かいに座る黒尾がツッこむ。
『…もういいんだよ、夜っくん眠たくて、ぼんやりとしか覚えてないっぽかったから』
「(人1)はしっかり覚えてるの？」
『…お、ぼえてるよ。忘れられるわけないしあんなの…』
「じゃあ夜久も覚えてるんじゃないかな」
『うっ』
「俺としてはその内容めちゃくちゃ気になるけど…(人1)の話聞くに「もうそれお互い好きじゃん」って思うんですが」
黒尾の言葉に肩が跳ねて、掴んでいたトマトを箸の先から落とした。
俺のこと好き？って聞かれた後に、
俺は(人1)のこと…って言って力尽きて寝てしまった夜っくんを思い出した。
『…夜っくんの好きは、私の想う好きとはまた違うよ』
「は、」
『仲良い友達で、妹みたいな…そんな感じじゃないかな？仲良い人が自分の知らない他の人と仲良くしてるとモヤッてするの分かるし』
「……分かっちゃいたけど、ここまで鈍感とはな」
「夜久も苦労するね」
『…？』
ごちそうさまでした、と手を合わせてお茶を飲む。
もうそろそろ午後の練習試合が始まる。夜っくん、戻って来られるかな。
「…で、柳井は夜久を好きってことでいいんだよね？」
『…うん、いいよ。あと私ね、決めたんだ』
「何を？」
『…もっともっと魅力的になって、夜っくんの"1番"になるの。今はきっと、"あの子の代わり"だから』
あの子？と首を傾げるみんなに私は笑みを浮かべる。
みっちゃんだけが、「やめときなよ」と笑うけれど、私は夜っくんのあの顔を思い出して、欲張った。
『(…夜っくんのあの顔を知ってるのは、私だけがいい)』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1244人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるか(プロフ) - Lunaさん» コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです…！これからもそう言っていただけるよう頑張るのでぜひ今後もよろしくお願いします！m(_ _)m (3月22日 1時) (
レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - もう、めちゃくちゃ胸キュンしちゃいました…。ほんと素敵なお話をありがとうございます…！！やっくん、かっこよすぎます！！！ (3月17日 11時) (レス) @page30 id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - chia.さん» コメントありがとうございます！集合写真はずるいですよね〜…泣くに決まってますよ…本当に… ありがとうございます！更新頑張りますね(*^^*) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - わにゆずさん» コメントありがとうございます！一緒の方いてテンションぶち上がりました（＾∇＾）あれは音駒好きにはたまらんですね！モチベ上がりまくりですよね！どうか勉強に集中出来ますように…(^^) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます！私も夜っくん好きなので書いてて楽しいです(^^) 全然拙くないです！直球で伝わってます！嬉しいです！これからもこの作品をよろしくお願いします！(*^^*) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるか
| 作成日時：2024年3月8日 8時
