黄昏時、烏との戯れ ページ45
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『そういえばあの噂の速攻、今日成功したんだってね』
「まあ、はい。1回だけッスけど」
『凄いじゃん。見たかったなぁ…8月合宿で音駒来る時に見せてよ』
「分かりました」
『すぐ分かりましたって言うよね影山くんは…ちゃんと一次予選突破して、サーブも速攻も練習して、8月に私を驚かせて。手首のストレッチサボっちゃダメだよ』
「うす。サボりません」
影山くんにサボるって単語は余計だったかな。
そう思っていると、「影山いた!」と影山くんの後ろから日向くんがヒョコッと顔を出した。可愛い。
「あ!(人1)さん!」
『ふふ、次は日向くんかぁ。お疲れ様』
「はい!お疲れ様です!」
『元気だね』
「合宿めちゃくちゃ楽しかったので!」
『そうかそうか』
日向くんがジャンプしながらそう言って、オレンジ色の髪がぴょんぴょん跳ねる。
…やっぱり私と日向くんって似てないかもしれない。
『…考えることをやめないでね』
「!」
『この先周りとの差に挫けそうになることあるかもしれない。強くなるってことはそれだけ苦労も多いから。
…でも、考えるのをやめたら、何も得られないし、何も始まらない。直感や本能も大事だけど、今自分に何が必要か、何をするべきかって常に考え続けてね。
…偉そうに言えないけど、私からのアドバイス』
「いえ!おれ、全然未熟で影山いないと認めてもらえないので!これからもっと強くなります!頑張ります!」
『うん、日向くんが"小さな巨人"になって東京に試合しに来るのを楽しみに待ってるね』
「〜〜っ!はい!」
「(人1)さんも試合頑張ってください!」と手を振って影山くんを連れて行く日向くんに手を振り返す。
…太陽みたいだな、なんて思って踵を返した時、目の前に烏野3年生達がいた。
『…逃してくれない烏野、怖い』
「…?よく分からないけど、後輩達が世話になったな。ありがとう」
『いいえ。一緒に練習やり込んだとかじゃないし、お節介なアドバイスしかしてないよ』
「それでも、アイツらがちゃんと柳井さんに礼を言ってるんだ。確実に柳井さんのおかげだよ」
『…なら、ありがたく感謝を受け取っておこうかな。また東京においでね』
「もちろん!夜久くんとの進捗楽しみにしてっからな〜!」
『ちょ、声でかい…!』
「スガ〜。揶揄うのやめなさいよ」
またな、と手を振る3人に、手を振り返す。
今度こそ、その背中達は小さく、遠ざかって行った。
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はるか(プロフ) - Lunaさん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです…!これからもそう言っていただけるよう頑張るのでぜひ今後もよろしくお願いします!m(_ _)m (3月22日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - もう、めちゃくちゃ胸キュンしちゃいました…。ほんと素敵なお話をありがとうございます…!!やっくん、かっこよすぎます!!! (3月17日 11時) (レス) @page30 id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - chia.さん» コメントありがとうございます!集合写真はずるいですよね〜…泣くに決まってますよ…本当に… ありがとうございます!更新頑張りますね(*^^*) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - わにゆずさん» コメントありがとうございます!一緒の方いてテンションぶち上がりました(^∇^)あれは音駒好きにはたまらんですね!モチベ上がりまくりですよね!どうか勉強に集中出来ますように…(^^) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます!私も夜っくん好きなので書いてて楽しいです(^^) 全然拙くないです!直球で伝わってます!嬉しいです!これからもこの作品をよろしくお願いします!(*^^*) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2024年3月8日 8時