見つけてくれるのはキミだけ ページ38
.
『…ねえ、お肉少なくないですか』
「(人1)さっきから野菜しか食べてないね」
『野菜しか残ってないんだもん…あっ、後輩達の皿に肉が』
「やばっ…！わ、私野菜苦手で…！」
『前にダイエットとか言ってサラダ大量に食べてたじゃん！待ちなさいコラ！』
先生方の挨拶の後、バーベキューが始まった。
いつものご飯だって美味しいけど、バーベキューで食べる肉や野菜はまた違った美味しさがある。
…とふわふわ思ってたのが数分前。梟谷のエースの子に「IH頑張ってね」と言われ、そこから話を広げていくうちに気づいたら鉄板の上からお肉がほぼ消えていた。
焦って逃げる後輩達を追いかけて、捕まえて、頬っぺたを引っ張ってお説教する。
痛いれす、と後輩は私の側で笑っていて、
「先輩が怖いです」と距離を取られたあの日が嘘みたいで、嬉しくて、『しょうがないなぁ、』と許してしまうのだった。
「(人1)は後輩達に激甘だねぇ」
『妹みたいで可愛いもん…でもね、流石に走りすぎてちょっと疲れた』
「コップの中、空じゃん。ジュース貰ってきなよ。ついでに夜久と話しておいで」
『…そうしようかな』
みっちゃんだって私に激甘だ。
その言葉を飲み込んで、みっちゃんに感謝して男バレのマネちゃんずのところへ向かった。
『りんごジュースください』
「はいどうぞ〜」
『ありがとう〜』
かおりちゃんにジュースを注いでもらって、周りを見渡す。
でも周りの人達の背が高くて見つけられなくて、しょうがないか…と踵を返した時、空いている左手をパッと掴まれた。
「(人1)、」
『夜っくん』
「こんなところで何やってんだ？」
『ジュース貰いに来たんだ。えと、それから…』
「…ちょっとこっち来て」
夜っくんは私の手を引いて、いつものように日陰になっているところに連れて私を座らせた。
"はぐれたって絶対(人1)を見つける自信ある"
…はぐれたわけじゃないけど、前に言ってくれた通り、あの高い壁の中から夜っくんを探す私を見つけてくれた。
「咄嗟に連れてきたけど、戻るつもりだったならごめんな」
『ううん、ちょうど涼みたかったんだ』
「…何だ、俺に会いに来てくれたのかと思った」
『…本音はそっち、です』
「…良かった」
…見つけてもらえたことがとてつもなく嬉しくて。
私の隣に座って、大好きな蕩ける笑みを向けられて。
…今、時が止まればいいのに、なんて思ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1244人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるか(プロフ) - Lunaさん» コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです…！これからもそう言っていただけるよう頑張るのでぜひ今後もよろしくお願いします！m(_ _)m (3月22日 1時) (
レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - もう、めちゃくちゃ胸キュンしちゃいました…。ほんと素敵なお話をありがとうございます…！！やっくん、かっこよすぎます！！！ (3月17日 11時) (レス) @page30 id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - chia.さん» コメントありがとうございます！集合写真はずるいですよね〜…泣くに決まってますよ…本当に… ありがとうございます！更新頑張りますね(*^^*) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - わにゆずさん» コメントありがとうございます！一緒の方いてテンションぶち上がりました（＾∇＾）あれは音駒好きにはたまらんですね！モチベ上がりまくりですよね！どうか勉強に集中出来ますように…(^^) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます！私も夜っくん好きなので書いてて楽しいです(^^) 全然拙くないです！直球で伝わってます！嬉しいです！これからもこの作品をよろしくお願いします！(*^^*) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるか
| 作成日時：2024年3月8日 8時
