猫は独占欲が強い生物である ページ20
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夜久side
「おい木兎、ちゃんとパンツ持ってんのかよ。昨日失くしたって騒いでただろ」
「ちゃんと持ってますぅー!!ほら!!」
「木兎さん、それは見せなくていいです」
「しまえバカ!」
「お前ら元気だなー…」
ふわ…とあくびをしながら、木兎と黒尾の前を歩く。
お風呂上がりが一緒になったから並んで廊下を歩いているけど、コイツらマジでうるさい。
「木兎さんがうるさくてすみません」と謝る赤葦だけど、なんかこっちが逆に謝りたくなる。黒尾のせいもある、って。
すると目の前に人影が見えて、
誰だか分かった瞬間、俺はすぐに声をかけながら近づいた。
「(人1)、」
『夜っくん。お風呂上がり?』
「おー。(人1)も?」
『うん。ちょっとウトウトして長風呂になっちゃった』
「ちゃんと部屋帰ってから寝れよ?昨日みたいなのはダメだからな」
『わ、分かってるよ』
どうやら長風呂で身体が火照ってしまい、水を買いにきたらしい。
ペットボトルを両手で握りしめながら苦笑いする(人1)に俺も笑うと、後ろから「(人1)!!」と木兎の大きな声が響いた。
『うげ、光太郎だ…』
「(人1)ー!お前全然一緒に練習してくんねーじゃんかよ!」
『だって光太郎のスパイク痛いもん』
「そんなことないだろ!」
『そんなことあります』
「あ"っ、また夜っくんの後ろに隠れて!」
(人1)は、肩を組もうとした木兎をサッと交わして俺の後ろに隠れる。隠れてないけど。
キュッと俺のシャツの袖を握っているから、悪い気はしなくてされるがまま、(人1)と木兎に挟まれる。
『それに今は夜っくん達とレシーブ練習してるから間に合ってまーす』
「もー!夜っくんばっかり!ずるいぞ(人1)!夜っくん独り占め禁止!!」
「ずるいの夜久の方じゃねーの?」
「話の流れ変わりましたね」
黒尾と赤葦がそう言って苦笑いするから、俺もつられて苦笑いする。
何で俺に変わってんだよ、と木兎に言おうとした時、小さな力で袖が引っ張られた。
『やだ。夜っくんは私のだもん。光太郎には渡さないからね』
「…えっ、」
シン…と静まり返った廊下で、
(人1)ただ1人だけが平然としていて。
『…ふ、眠くなってきたから部屋戻るね、おやすみ』
「お、おう…おやすみ」
俺の後ろから抜け出して、あくびをしながら去っていく背中を俺達はジッと見つめて。
「…(人1)って、あんな顔するんだなー…!」
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はるか(プロフ) - Lunaさん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです…!これからもそう言っていただけるよう頑張るのでぜひ今後もよろしくお願いします!m(_ _)m (3月22日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - もう、めちゃくちゃ胸キュンしちゃいました…。ほんと素敵なお話をありがとうございます…!!やっくん、かっこよすぎます!!! (3月17日 11時) (レス) @page30 id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - chia.さん» コメントありがとうございます!集合写真はずるいですよね〜…泣くに決まってますよ…本当に… ありがとうございます!更新頑張りますね(*^^*) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - わにゆずさん» コメントありがとうございます!一緒の方いてテンションぶち上がりました(^∇^)あれは音駒好きにはたまらんですね!モチベ上がりまくりですよね!どうか勉強に集中出来ますように…(^^) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます!私も夜っくん好きなので書いてて楽しいです(^^) 全然拙くないです!直球で伝わってます!嬉しいです!これからもこの作品をよろしくお願いします!(*^^*) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2024年3月8日 8時