あの日の続き ページ17
.
「(人1)!」
ふわ、とみっちゃんからトスが上がる。
私が好きなちょっと高めの、完璧なトス。
助走距離も、踏み込む位置も、ジャンプの高さも完璧。
けど、打ち込んだストレートは、僅かにサイドラインの外側に落ちてアウトになった。
23-25。梟谷にまた負けて、私達はペナルティのフライングをした。
「ごめん(人1)、トス低かった?」
『いや、完璧だった…悪いのは私。あれだけ私情は試合に持ち込まないって決めたのに…!』
「私情…?アンタまた夜久となんかあったの?」
『まだ私情しか言ってないんだけど…』
「だから前に言ったじゃん。だいたいバレーのことか夜久のことだって。違うの?」
『…違わないです』
そういえば前もボーッとしてて同じこと言われたな。
私はみっちゃんのシャツを引っ張って、コソコソと小さな声で話す。
『…絶対絶対、誰にも言わないでね?』
「言わないって。いいから早く言って」
『みっちゃん凄く目ギラギラしてる…』
早く話が聞きたくて仕方ないのか、みっちゃんは早く早くと急かす。
私は少し緊張しながら、一回だけ深呼吸して口を開いた。
『…夜っくんの夢を、見たの』
「おぉ…!良かったじゃん、お互い」
『お互い…?』
「ごめん何でもない。で?」
『…夢の中で寝てたら、目を覚まして。何気なく横見たら、私の横に夜っくんが寝転んで、私の髪を撫でてたの。
しばらくお互い見つめ合ってたら、夜っくんが「あの日は出来なかったから」って言いながら起き上がって、その…キ、キスを…』
「…唇?」
『く、唇…』
「マジか」
みっちゃんがニヤニヤして私を見る。
私は羞恥心で顔を隠すしか出来なかった。
「で?どうなったの?」
『…しばらくキ、キス…してたら、苦しくなって。夜っくんの服を掴んだら、その手を取られて手首に、キス、されて…耳元で、』
"__(人1)に、触れてもいい…?"
『〜〜っ、ダメ、これ以上はもう恥ずかしくて話せない…!』
「いや、こっちももう胸やけしそう…思ったよりやばめの夢だったわ」
『あ〜もうこんな夢見ちゃって夜っくんに申し訳ない…どんな顔して会えばいいの…』
「でも意識しすぎない方がいいんじゃない?夜久のことだからいつもと様子違ったら(人1)が折れるまで問い詰めそう」
『確かに…』
今日の目標はポーカーフェイスを貫くこと。
未だドキドキを抱えながら、ギュッと拳を握った。
1244人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるか(プロフ) - Lunaさん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです…!これからもそう言っていただけるよう頑張るのでぜひ今後もよろしくお願いします!m(_ _)m (3月22日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - もう、めちゃくちゃ胸キュンしちゃいました…。ほんと素敵なお話をありがとうございます…!!やっくん、かっこよすぎます!!! (3月17日 11時) (レス) @page30 id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - chia.さん» コメントありがとうございます!集合写真はずるいですよね〜…泣くに決まってますよ…本当に… ありがとうございます!更新頑張りますね(*^^*) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - わにゆずさん» コメントありがとうございます!一緒の方いてテンションぶち上がりました(^∇^)あれは音駒好きにはたまらんですね!モチベ上がりまくりですよね!どうか勉強に集中出来ますように…(^^) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます!私も夜っくん好きなので書いてて楽しいです(^^) 全然拙くないです!直球で伝わってます!嬉しいです!これからもこの作品をよろしくお願いします!(*^^*) (3月16日 2時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はるか | 作成日時:2024年3月8日 8時