始まりはすぐ側に ページ46
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『…あ、』
「おーっす。昨日ぐっすり眠れた？」
『…部屋でみっちゃんに起こされて説教されたら寝れなくて…2時間しか寝てないけど、雑念払いに走ってる』
「そーかそーか」
朝、まだ陽がのぼりきってない涼しい森然高校の敷地を走っていると、同じように走っている黒尾に会った。
筋肉に負荷をかけないよう、緩やかに減速しながら黒尾に近づいた。
『…黒尾、事情知ってるんだっけ。昨日迷惑かけてごめんね』
「いやいや、詳しいことは聞いてないけど悪いのは夜久の方じゃね？あと男と2人で寝てんなよ」
『う、ごめん…元々眠かったし、体温があったかくてつい…』
「危機感ねーなぁ」
そう笑って森然の階段をのぼっていく黒尾の背中に、
立ち止まって、『あのさ』と声をかける。
『…私、夜っくんのこと、ちゃんと1人の男の人として好きだよ』
「…えっ、ま、マジ？」
『マジ。でも、私はここに恋愛しに来た訳じゃないし、隣に立つ資格は最初からないから』
「は？資格って何だよ」
『教えない！もうこの話終わり！』
「あ、おい待てって…！」
黒尾を追い越して階段をのぼっていく。
まだこの話題について聞きたそうだったけど、私がもう話す気がないと思ったのか、「そういえばさ、」と話題を切り替えた。
「昨日ツッキーと自主練したんだよね」
『ツッキー？』
「烏野の眼鏡くん」
『あぁ…！』
あの子ツッキーくんっていうのか。あだ名…後で本名聞きに行こう。
「そん時に(人1)、昔の話してたっしょ？きっかけがどうって」
『あぁ、うん』
「それで思い出したんだけど、(人1)と夜久って結局昔会ってたのか？入学した時そんなこと言ってたよな」
『あ〜…それが結局どこであったか2人とも思い出せなくてまだ解決してない』
「ふーん…じゃあ"きっかけ"の話の方聞かせろよ。俺それ聞いてないし」
『いいけど…』
水分を摂りつつ、私は"始まりをくれた子"の話を黒尾にした。
…夜っくんみたいな子、とは何となく言えなかったけど。
話し終えると黒尾は私をジッと見つめて、それから「なんだよ」と軽く笑った。
「お前ら絶対その時会ってんじゃん」
『え…？なんで、』
「なんでって…」
「…全く同じような話、夜久からも聞いたことあるし」
『…え？』
サワリと風が頬を撫でるけど、
私はそんなことを気にすることなく、ただ黒尾の言葉に口が開きっぱなしになっていた。
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雨音 淡桜 - 17ページ冒頭、読んだ瞬間むせかえって窒息しかけました（笑死） (3月25日 16時) (
レス) @page17 id: e6a1afaa78 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます！あのシーン夜久さん好きには堪らないですよね…いっぱい夜久さんを映してくれて良かった…(^^) これからもカッコ可愛いうちの小説の夜久さんをよろしくお願いします！ (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - kis09170810さん» コメントありがとうございます！映画やばかったですよね…私はいまだに泣いてしまいます…この先もしばらくもどかしい展開が続きますのでハラハラしながらお読みください…(^^) (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 風佳さん» コメントありがとうございます！そういっていただけるとめちゃくちゃ嬉しいです(^^) ちょっと本能出てしまう夜久さんマジ性癖です…笑 (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 私も映画で、「もっと〜？」ところがすごく好きです！というか映るたびに声が聞こえるたびにニヤニヤしてます笑 夜久さんのかっこよさと可愛さに悶えながら読ませていただいてます。続き楽しみにしてます！ (3月9日 1時) (レス) @page48 id: fcb07708b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2024年2月26日 21時
