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夢の終わりと爪の痕 ページ45

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夜久side





耳元で大きく名前を呼ばれた気がして、意識が浮上する。多分、声をかけたのは黒尾。


目に飛び込んでくる光が眩しくて、ギュッと枕を抱きしめながら俺は「…いまなんじ、」と呟いた。




「時間はいいから、夜久。枕から手を離しなさい」

「やだ、眩しい…」

「…離せっつってんの。それ枕だと本気で思ってる?」

「は?…うっせーな…何言っ…え?」




やっぱり声の主は黒尾で、あまりにも耳元でギャンギャンうるせーから上半身を起こすと、枕だと思ってたものがもぞもぞと動いた。




『んー…んぅ…』

「…え、(人1)…!?なん、な…何でここに…?」

「何で夜久が知らねーんだよ。ガッツリ腰に手回して逃げらんないようにしてたくせに」

「……ぁ、」





ドッドッ、と自分の心臓の脈打つ音が鮮明に聞こえるようになる。

冷や汗も、背中を伝っていって。




俺は何かの間違いだと思いたくて、望みをかけて(人1)の手首を掴んで見た。





「夜久?」

「…った」

「は?」




「…夢じゃ、なかった」





未だすやすやと眠る(人1)の手首には、赤い痕。

真ん中には、爪の食い込んだ痕もあって。





「……最悪だ、俺」






勝手に夢だと思い込んで、(人1)に痛い思いも怖い思いもさせてしまった。

そりゃあ逃げたくなるよな。


俺は(人1)の手首を優しくさすった。



黒尾と一緒にいた南は、そんな俺を見て深い溜め息をついた。




「…とりあえず、(人1)もらうね。どうせ起きないだろうし、おぶって行くわ」

「階段大丈夫か?」

「平気。(人1)軽いから…ほら(人1)、行くよ」

『んー…?ん…メロンがいい…』

「おわっ、」

「それメロンじゃなくて夜久!」

「似た者同士か」





もぞもぞと動いて俺に手を伸ばしかけた(人1)を南がおぶって、触れ合っていた適温が消え去ってゆく。

俺は下唇を噛んで拳を握った。





「…何があったとか聞かないけど、そういう顔したいのはきっと、(人1)の方だと思う」

「…知ってる」

「夜久。私は何があろうと(人1)の味方だからね」






それも、知ってる。



南は俺に背を向けてから、

「このことは海以外には内緒にしておこう」と黒尾に言って、部屋から出て行った。


静かになった部屋で、黒尾は、ふぅ…と小さく息を吐いた。




「…言い訳は?」

「ねえよ」

「ならいい」

「…さんきゅ」






黒尾はそれ以上はもう聞かないで、


海呼んでくる、と部屋を出て行った。

始まりはすぐ側に→←冷静さを欠く周り



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雨音 淡桜 - 17ページ冒頭、読んだ瞬間むせかえって窒息しかけました(笑死) (3月25日 16時) (レス) @page17 id: e6a1afaa78 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます!あのシーン夜久さん好きには堪らないですよね…いっぱい夜久さんを映してくれて良かった…(^^) これからもカッコ可愛いうちの小説の夜久さんをよろしくお願いします! (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - kis09170810さん» コメントありがとうございます!映画やばかったですよね…私はいまだに泣いてしまいます…この先もしばらくもどかしい展開が続きますのでハラハラしながらお読みください…(^^) (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 風佳さん» コメントありがとうございます!そういっていただけるとめちゃくちゃ嬉しいです(^^) ちょっと本能出てしまう夜久さんマジ性癖です…笑 (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 私も映画で、「もっと〜?」ところがすごく好きです!というか映るたびに声が聞こえるたびにニヤニヤしてます笑 夜久さんのかっこよさと可愛さに悶えながら読ませていただいてます。続き楽しみにしてます! (3月9日 1時) (レス) @page48 id: fcb07708b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるか | 作成日時:2024年2月26日 21時

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