安定感は誤解を招く ページ15
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「えーっ!?な、何ですかそれ!」
『あ、あれ違った?"リエーフ、しょぼレシーブなのにレシーブ練習サボりやがって…明日は今日の3倍やらせるか"って前に夜っくんキレながら言ってた…よね?』
「っはは!言ったわ。つーか今思えば(人1)の前でリエーフのしょぼレシーブの話結構してたわ」
「ちょっと夜久さん!俺のいない所で話すなら俺のカッコいいとこの話してくださいよ!」
「レシーブもまともに出来ない、研磨のトスにも合わせれなくて空振りするお前のカッコいい話なんてねーよ」
夜っくんが笑いながらそう言って、リエーフくんが、酷いです!と叫ぶ。
まあ、何だかんだで夜っくんはこの未熟な後輩を可愛がってるんだろうな、というのが伝わってきて、思わずフ、と笑みがこぼれた。
するとリエーフくんが私の顔を再びジッと見つめて、
それから「あ!」と私を指さした。
「女バレのよく飛ぶ小っちゃい人!」
『…今更?』
「リエーフ指差すな」
「あでっ、すみません…」
『いいえ〜』
夜っくんはどうやらリエーフくんに対しては鬼先輩のようだ。でも仲良いな。お兄ちゃんと弟みたい。
「あの、名前何でしたっけ?」
『私?柳井(人1)だよ』
「あっ!そう!そうです!(人1)さん!夜久さんがいつもレシーブの判断基準にする(人1)さん!」
『判断基準?』
「"(人1)の方が上手い"とか、"まだまだ(人1)の足元にも及ばない"とか」
『あは、そうなんだ』
「事実を述べただけだ」
いちごオレを飲み終わって紙パックをたたむと、夜っくんがそれをさりげなく無言で私の手から奪って近くのゴミ箱にポイ、と捨てる。
…何も言ってないのに。
ありがとう、と夜っくんにお礼を言うと、リエーフくんが「あの、」と私達を交互に見た。
「付き合ってますか?2人」
『え』
「…違うけど。何でそれ聞いた今」
「なんか…熟年夫婦みたいな安定感あるなって」
『じゅ…』
「お前国語弱いくせに熟年夫婦とかよく知ってたな」
…何だろ、この気まずい感じ。
今まで「付き合ってるの?」って聞かれることはあっても夜っくんのいない時だったから、『違うよ』って即答できたし特に何も思わなかったけど、
隣に夜っくんがいるときに言われると、どう反応していいか分からない。
とにかく会話を終わらせなくては。
『リエーフくん、あの、違うからね?』
「え?でも前に手繋いで歩いてましたよね!」
『は、』
…何でそれを知っている。
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雨音 淡桜 - 17ページ冒頭、読んだ瞬間むせかえって窒息しかけました(笑死) (3月25日 16時) (レス) @page17 id: e6a1afaa78 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます!あのシーン夜久さん好きには堪らないですよね…いっぱい夜久さんを映してくれて良かった…(^^) これからもカッコ可愛いうちの小説の夜久さんをよろしくお願いします! (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - kis09170810さん» コメントありがとうございます!映画やばかったですよね…私はいまだに泣いてしまいます…この先もしばらくもどかしい展開が続きますのでハラハラしながらお読みください…(^^) (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 風佳さん» コメントありがとうございます!そういっていただけるとめちゃくちゃ嬉しいです(^^) ちょっと本能出てしまう夜久さんマジ性癖です…笑 (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 私も映画で、「もっと〜?」ところがすごく好きです!というか映るたびに声が聞こえるたびにニヤニヤしてます笑 夜久さんのかっこよさと可愛さに悶えながら読ませていただいてます。続き楽しみにしてます! (3月9日 1時) (レス) @page48 id: fcb07708b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2024年2月26日 21時